Long Story

□敢闘、その後
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女性の甲高い悲鳴というのは、異様なほど周囲に響くものだ。それが慌ただしく騒然とした場所であっても。

「…なんだ?」

シエルが声のした方を振り向くと、こちらを見ながら顔を蒼白にさせている女性とばっちり目があった。
いや、正確には、女性が慌てて目を逸らせた先に、シエルの顔があった。そんな感じだった。
女性は顔を引きつらせたまま、悲鳴を上げた口に手を当てる。視線は、こちらを見たまま、決して他に向けようとしない。

「……?」

訳が分からない。女性の奇行に、眉根を寄せて、シエルも彼女を見つめ返す。
悲鳴に驚いた周囲の人々もまた、なんだなんだと彼女を見ていた。そして彼女が見ている方向にも、目を向けた。
こちらに。

「う、うわぁああああーー!?」

途端、上がった複数の悲鳴に、シエルもセバスチャンもギョッとした。
全員が、こちらを見たまま悲鳴を上げているのだ。ますます訳が分からない。
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