Long Story
□敢闘、その後
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「先に、ミッドフォード家の人々と合流するぞ。無事にこの船に乗っているとは思うが、一応、確認しとかないとな」
脳裏に思い起こすのは、兄に横抱きにされた意識を失っているエリザベスと、「戻ってこなくていいぞ!」と声を張り上げて真摯にシエルを見つめるエドワード。
その隣で、置いて行かれる不安からか、強張った顔をじっと向けて来ていたスネイク。
ーー早く、彼らの無事を確認したい。
シエルのその焦燥に気付いて、セバスチャンはふ、と唇に笑みを形作ると主人に向けて力強く言葉を返した。
「イエス、マイロード」
二人がそうして次の行動を決めて、今まさに動き出そうとした瞬間だった。
突然鋭い悲鳴が上がった。