*文章*
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将来の夢もなく何と無くで進学した私は、二年目には大学に通うことをやめ、三年目には家からでなくなった
そして四年目、ついに自殺を決めた
家だと邪魔が入るかもしれないので、私は自殺の名所として有名なある雪山に来ていた
「やっと...ついた...。」
辺りは真っ白で、後ろには私の辿ってきた足跡がポツポツと霧に隠れながら見える
そして、私は雪山にある崖に立っていた
一歩踏み外せば奈落の底へ落ちそうなとても高い崖である
私はここで死ぬのだ...。
行き先に彷徨っていた人生からやっと解放される...
さぁ、私も死んで「無」に...!!
踏み出した瞬間、私が真っ逆さまに落ちるのが分かった
でも、そう思ったのもつかの間
目を瞑り体をひねった瞬間に私の足を誰かがつかんだのだ
驚いた私はぶら下がった状態で足元を見上げる
「...誰?」
「こんにちは、草野原協会です」
「くさ...のはら...きょうかい...?」
「自殺防止集団ですよ」
「...あぁー...。」
良い死に場所を見つけたのに、こんな厄介な集団に見つかるのは私としては、とても残念だった
「ちょっと付いてきて下さいね」
「はぁ。」
(面倒臭いなぁー...)