マギ長編

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「なんだ、お前は!」

「ここは王宮だぞ!!」




王宮前に一人の青年が乗り込んでいた



カシムの計画を知ってしまったアリババは、シンドバッドに言われた期日まで待ってられないと...



ここへくる決意をしていたのだ!










「オレはバルバッド第三王子、アリババ・サルージャだ!!!この門を、開けろ!」




思いもしない人物の登場に、国民たちが勢いに乗り始めた



しかしアリババは、自分だけを中に入れろと門番に掛け合い




アモンの力を使い、国民を黙らせてから門の奥へと消えていった...
















「夏黄文、ジュダルちゃんの具合はどうなのぉ?」


「私の眷属器で治療しておりますが、全身の骨が折れているので完治に時間はかかりそうであります」

「そう...」

「いかがなさいました?姫君...」





少し様子のおかしい紅玉に、夏黄文が声をかける


「ねぇ...おかしいと思わない?夏黄文...なぜ、正統な皇女であるこの私が、政略結婚などに出されなければならないのかしら」

「...」

「こんなもの、あの白瑛にやらせればいいのよぉ。あいつは前皇帝の娘なんだから」





この言葉に、夏黄文はいかにこのバルバッドが煌帝国にとって重要かを説明する

実際は紅玉もそのことはわかってはいるのだが...


せっかく迷宮攻略をして金属器を手に入れたところだったため、武の道を歩みたかった...と





「それに...恋だってしてみたかった...」

「姫君...」

「ライちゃんともやっと会えたのに...」


「これは...陛下の勅命であります。それに、結婚式には兄王様もいらっしゃいます」

「わかってるわよぉー!」





少し声を張り上げ、また悩ましげな表情に戻ってしまった紅玉




「少し、気が迷っただけよ...」




























「陛下ーーーっ!!」




皇帝国からの結納品を見ていたアブマドの元へ、兵がただならぬ雰囲気で入ってきた



「た、大変です、王宮の広間に侵入者が...その侵入者というのが...」



「まったく、なんだというのだ...」





広間が見渡せる場所へ出たアブマドたちが見た者は...





先ほど乗り込んできていたアリババだった






「アブマドーーーッ!!!お前と話をつけに来た!!いますぐここへ降りてこい!!!!!」





アブマドの姿を見つけたアリババは、叫んでから睨みつけていた





「ふざけるなでし!!誰があいつを城に入れたんでし!!!」







アリババの存在が邪魔なアブマドはその場にいる人間にあたりつつ、銀行屋にアリババを殺せと命令していた














「なんだ...お前に用はねー!」

「な、なんだはねぇぞ、俺達はあったことがある。お、お前、頭悪いぞ」





アブマドたちのいた位置から、人間が降ってきたのだ




そして、あっという間にその姿はあの時見た怪物に変貌したのだった...




アリババはアモンを使い、戦うのだが


いまだに魔装を完成させていないアリババ



ぶっつけ本番でやってみるが、そう上手くはいかない

まったく炎が剣に収束されないのだ...






いくら迷宮を攻略できたとしても、ジンを使いこなさなければ意味などない










「おや...あれはジンの金属器...技は未熟ながらも迷宮攻略者ということですねぇ」

「...」

「あのゴミが迷宮を攻略しただと?」

「ええ...すなわち、彼も王の器を持つ者」




戦うアリババを、高みの見物しているアブマドたち










「ぐあっ!!」




応えてくれないアモン

まだアリババの覚悟が足りないのか...





そんな時、攻撃がアリババを直撃



皆の言葉が走馬灯のようにアリババの頭に流れ込んでくる






「...!!?」





そこでアリババは気づいた


力も何も関係ねーだろ!!何がなんでも...オレは!!!前に進むって決めたじゃねーか!!!






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