マギ長編
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「シッシンドバッドおじさん、お久しぶりでしな」
「挨拶は不要だ...オレの要件は一つだけ、シンドリアとの船舶貿易を再開しろ!」
「「...!?」」
オレ達は今、バルバッドの王宮にいる
で、目の前には
現バルバッド国王であるアブマド・サルージャと副王のサブマド・サルージャがいる
なんだか、シンに怯えているように見えるのは気のせいじゃないだろう...
「オレとお前らの親父さんが培ってきた、両国の関係ををぶち壊す気か?」
「わっ悪いけど交易再開はムリでし...今、バルバッドは国内の大問題で手いっぱいなんでしよー」
「ああ゛?」
『国内の大問題?』ボソッ
昨日歩いてきている時に見た
国の乱れと関係あるんだろうか...?
あっちなみに、リアも一緒に来てるよ!
今は大人しく(警戒しながら)マスルールの肩の上に乗ってる
オレは、ジャーファル・マスルールの横に立ってるよ!
「霧の団?なんだそれは?」
「バルバッド内紛の元凶でしよ」
デブマド...アッ違った、アブマドの話によると、元はスラムのコソドロだったらしい
それが、2年程前
城の宝物庫を破り、軍資金を得て力付けてしまった
以来、国政に不満をもつ奴らをどんどん取り込み、今や規模数百人という大所帯に肥大化
しかも不思議な魔術を身に付けて
もう国軍も手に負えない一大反政府軍になってしまった...と
「おまけに奴らは奪った金品を民衆に分け与えるから...国民からは英雄視されているしまつでしー」
『義賊の真似事かぁ...』ボソッ
「国庫を傷付ければ、税金をふえるだけなのにー国民はバカでしねー」
こんなんが王ならば、オレも反抗したくなる奴らの気持ちはわかる気がするよ...
「お前ら...評判悪いぞ」
「しっしかたないんでしー!
近頃、厄介な奴が霧の団のトップになるしー」
『厄介な奴?』「やつ?」
つーか、その口ぶりからすると
そのトップの奴はお前らの知り合いだったりすんのか?
「まったく、なんだって今頃アイツがでてくるんだしー」
「あっ兄上、その話は...」
とっさに弟に口を押えられて
何かを隠している様子の兄弟たち
気になるー
「とっとにかく、霧の団のせいで交易再開はムリでし!再開してほしけりゃ、おじさんが自分で何とかするでしなぁー」
舌を出して、人をバカにしたような態度のデブ(名前とかどうでもよくなった)
もうオレちょっとキレかかってるよ...
リアも不機嫌になってきた
なんて思っていると
座っているシンが急に立ち上がった
「ほ〜お、なんとかしていいんだな?」
ザクッ
剣を抜き、それを机に刺したシン
二人はめっちゃビビってるし...ざまぁー
「オレがその霧の団とやらを退治してやるよ...軍隊を使わずオレたちだけでな!!」
「「...!?」」
おいおいマジかよー
本当めんどくさいなー
そのまま書状にサインをして
王宮を後にしたオレたち
『なぁーシン、あのデブマドだっけ?絶対に交易再開なんかしないと思うんだけど...』
「だろうな...だが、まずは霧の団を倒すしかないだろ」
「まったく、勝手に決めてしまって...そしてライ、アブマド王ですよ」
『あーそうだっけ?あんま変わんなくね?なーマスルールっ!』
「...そっスね」
「っすね〜!!」
みんなバルバッドには何かあるとは感じているものの、今の段階ではどうしようもない
とりあえず、泊まっているホテルに帰って来たのだった...
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