マギ長編

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「...で、二人はどうしてる?」


「はい...始めは二人とも国を救い切れなかった、大切な友人を失ったと落ち込んで......」

「部屋にこもってて、ご飯も全然食べてくれなかったんだよぉー」

「そう、見ていられませんでした」






リアとの会話でも、ちょっと聞いていたからシンも表情は曇っている






「でも、近頃は元気を取り戻したんですよ」

「そうか、それはよかった!!」

「ボクも頑張ったんだよー!」

「おー、リアンさすがオレの子だー」

「えへへ〜」








シンは自分の背中に飛び乗ったリアンに動じず、そのままリアンの頭を撫でていた
















「シンドバッドさーん!!あっライさんもー!!」


「『!!』」






向かっていた方ではなく、背後から聞こえた懐かしい声









「お帰りなさい!!」

「おお、アリババくん!久しぶりだな!」

『おっひさ〜アリババ!!』

「はい!!4カ月前、シンドバッドさんたちが国を発って以来で!!」

「ああ!!」『...』









振り返った先にいたのは...







でんっ...ででんっ







「それからずっとこんな豪華なところで...お世話になってしまって...」






開いた口が塞がらなかった...


リアから聞いてたから多少は覚悟していたけども...これはヒドイ







「ああ、それはいいが......アリババくん...」

「はい!!」


「君......太った?」

「えっ?そうかな?」







なにさその返事...本当に気づいてないの?


明らかにオレの知ってるアリババより、かなり横に大きくなってるよ?






「そういえば少し...いや、ここで頂く食事がどれもすごくおいしくて」

「フフフ...お口に合いますか?」

「はい!!昨晩のババガロス鳥の丸焼きは絶品でしたよ!」







ジャーファルが嬉しそうでいいんだけど、これはやり過ぎと違いますかね...







『リア、まさかさ...』

「うーん...ノーコメントで」

『...こわっ』





横にいるリアに状況を聞いてみたけど、不敵な笑みを浮かべたまま口を閉ざしてる







「最初の頃はのども通らなかったんですけど...でも、カシムのためにも立ち直らなきゃってそう思ったんです!!」

「そうか!」

「シンドバッドさん、オレに出来ることがあれば、どうか教えてくださいね!!」







本当に立ち直ったのだろう、アリババが元気よくシンに決意を告げているけど...


シンの顔は、張り付いた笑みしか浮かんでいない


要するに、なんかテンションがダダ下がり気味なのである





なんて言ってるオレも、ちょっとここまでくるとこう...なんて言うか



心に響かないんだよなぁ...










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