マギ長編
□小話B
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〜リアンとマスルール〜
(バルバット前)
「マスルー!!」
「リアン...」
「お昼寝してたぁー?」
「いや、起きてはいた...」
お天道様が傾き始めた頃、大きな木の下で寝ているマスルールをリアンが見つけた
「ジャーファルが捜してたよー?またサボったのマスルー?」
「...サボってない」
「えーじゃあ何でマスルーをジャーファルが捜してたんだろ...」
「知らない...」
「そう?別に怒られるのはボクじゃないからいいんだけどね〜」
「...」
実際、ジャーファルは怒っていたワケではないので、そこまで心配する事でもないのだ...
「ふぅ〜」
「...リアン」
「えっダメだった?ちょうどいいイスだと思ったんだけど...」
座っているマスルールの足の間に自分が座り込み、背中はもちろん寄りかかっているリアン
「別にいい...」
「そう?だったら一緒にお昼寝しよ〜」
「あぁ...」
しばらくすると、リアンからは寝息が聞こえてきていた
この時マスルールは、彼の母であるライも同じように寝ていた事を思い出し、少し微笑んでいたとか...
「あれ?あそこにいるのはマスルールとリアンじゃないか?」
『はぁあ゛?...ホントだ』
たまたま執務の間に通りかかった、シンドバッドとライ
二人が木の下で寝ているのを見つけた
「そー言えば、ライもリアンと同じように寝ていた事があったな」
『あーシンに怒られた時ね...でも、リアまでオレと同じ様に寝るなんて...』
「親子なんだな...」
『だね...』
そのまま放っておいてもいいと判断し、二人はまた仕事へと戻っていった
数時間後−−
「ん...?」
「起きたか、リアン...」
「マスルー?...んー外?」
まだ寝ぼけているのか、自分が何故ここで寝ているのかわかっていないようだ
「昼寝を一緒にしていた」
「あー!マスルー重くなかった?」
「別に、リアンは軽い...もっと食べてもいいと思う」
「そうかなー?ボクいっぱい食べてるけど、太りはしないからなー」
自分のお腹を触りながら、筋肉は欲しいけどねーと呟くリアン
そんなリアンを微笑ましく思い、頭をポンポンッと撫でるマスルールであった
「そーだ!!マスルー、今度ボクの鍛錬の相手してよ!」
「...手加減できないから、シンさんが許可したら」
「うーわかったよ!パパに聞いてOKだったらやってよ!約束だよ!」
「ああ...」
今の段階では、剣術と魔法に関してしか鍛錬していなかったので、マスルールはちょうどいい相手だったのだ
「そうと決まったら、まずはおやつ!」
「...」
「何、その目はー」
「てっきり、シンさんのところに行くのかと...」
思った事をそのまま口にするマスルール
リアンも一瞬驚いてはいたが、想定の範囲内だったのか普通に返す
「それも大事な事だけど、今のボクはお腹が空いてるから!そっちが先!」
「...わかった」
リアンを軽々と持ち上げ肩に乗せ、歩き始めるマスルール(最早これは定位置)
(リアン様!!って、マスルール様スイマセン!!)
(別に気にしてない)
(しかし!!)
(...)←リアンの顔を見る
(ヴァル、今からお菓子食べに行くよ〜ついて来な〜)
(えっ、あっハイ!!)
(今日は何食べよっかな〜)
(そういえば昨日、新しいフルーツが手に入ったと料理長が言っていました)
(マジ!!じゃーそれにしてもらおっかな)
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