マギ長編
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一方、母であるライは...
『あーもう!!何で、武器化魔装ってこんな面倒なんだよー!!』
「そー言うなって...オレでも出来るまで日数かかったのに、たった1日で出来るなんて凄いことなんだぞ?」
『ブーブー!!』
また違う鍛錬場で、シンドバッドと一緒に魔装について学んでいたのだ
しかし、思った以上に疲れると文句を言うライ(実際は腹が異様に減るらしい)
「だだ捏ねないで...全身魔装もすぐに出来るようになるさ!」
『はぁー...それが出来たらダラけてもいーのか?』
「うーん...ジャーファルが仕事を手伝ってくれといっていたが...」
唸るシンドバッドだったが、そこは部下よりも恋人だ
二つ返事で、ライの条件を呑んだ
『んー...ところで、全身魔装ってどうやるんだ?』
「オイっ!!知らないでやろうとしていたのか?」
『いやー武器化と同じ感じかなーとか思ったんだけど...できねーの』
「なんだそれは...」
ライの行き当たりばったりさを甘くみていたシンドバッド
小さくため息をついたのは言うまでもない
『あっでも今なら出来る気がする!!』
「なんなんだよその自信は...」
とりあえず、目を閉じ集中するライを見守るシンドバッド
周りの空気が変わったと思ったら
そこには...
「ライなのか...?」
『...』
髪の色が白く(白銀)、肌の色も心なしかライの物と比べると白い
シンドバッドに呼ばれ、開けた目の色は燃えるような紅(アカ)
そこだけ見れば、綺麗な天使のようだ
しかし背中に生えた羽の様な物は、真っ黒なので堕天使とでも言おうか...
とりあえずは全身魔装出来たらしい
『...主は、シンドバッド王か?』
「えっ、そうだが...ライじゃないのか?」
目の前にいる人物はどう見てもライなのだが、纏うオーラみたいなものが少し違うことにシンドバッドも気づいた
『我はベリアル...主が魔装したゆえ、こうして話せるようになったようだ』
「...そんなことオレでもなかったぞ」
『我も驚いているのだ...まさかこんな事になろうと...主?』
「どうしたんだ!?」
会話の途中で、言葉の切れたベリアル
慌てて近寄ったシンドバッドが次に見たのは、いつもの表情を浮かべたライだった
『あれ?シン?オレ魔装出来てる?
って何これ!?髪真っ白なんですけどー!?つーか羽生えちゃってるし!!』
「はぁー...」
自分の姿を見て驚いているライは、どうやら本当に本人のようだ
先程のベリアルの立ち姿がウソかのように、キョロキョロ自分を見ているライ
『うわー全身魔装ってなんか...』
「なんか...?」
『恥ずいんだけど...この腹回りとかさー...』
「...はっ?」
自分のお腹を擦りながら言うライに、シンドバッドも言葉が出ない
しかし、ライの言うように
普段の服よりも、数段露出も多くなり、女である事は一目瞭然なのだ
「それにしても...一発で魔装できるとは、オレも驚いたよライ」
『だよね...自分でもビックリ!はぁー疲れた...』
ため息をつくと共に、魔装を解除したライ
どうやら本当に疲れている様子で、今にも倒れそうだ
クラッ
「おっと...大丈夫かライ?」
『んー無理だ...シン抱っこ』
「ハイハイ...部屋に戻るか?それとも飯にするか?」
かなり前からお腹が空いたと言っていたので、この提案をしたシンドバッドだが
肝心のライは、もう既に寝息をたてていたのであった...
「しかたない、部屋に運んで...食事も用意させるか...」
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