マギ長編

□19
2ページ/6ページ



一方、母であるライは...




『あーもう!!何で、武器化魔装ってこんな面倒なんだよー!!』

「そー言うなって...オレでも出来るまで日数かかったのに、たった1日で出来るなんて凄いことなんだぞ?」

『ブーブー!!』





また違う鍛錬場で、シンドバッドと一緒に魔装について学んでいたのだ

しかし、思った以上に疲れると文句を言うライ(実際は腹が異様に減るらしい)




「だだ捏ねないで...全身魔装もすぐに出来るようになるさ!」

『はぁー...それが出来たらダラけてもいーのか?』

「うーん...ジャーファルが仕事を手伝ってくれといっていたが...」




唸るシンドバッドだったが、そこは部下よりも恋人だ

二つ返事で、ライの条件を呑んだ








『んー...ところで、全身魔装ってどうやるんだ?』

「オイっ!!知らないでやろうとしていたのか?」

『いやー武器化と同じ感じかなーとか思ったんだけど...できねーの』

「なんだそれは...」





ライの行き当たりばったりさを甘くみていたシンドバッド


小さくため息をついたのは言うまでもない






『あっでも今なら出来る気がする!!』

「なんなんだよその自信は...」




とりあえず、目を閉じ集中するライを見守るシンドバッド



周りの空気が変わったと思ったら




そこには...











「ライなのか...?」

『...』





髪の色が白く(白銀)、肌の色も心なしかライの物と比べると白い

シンドバッドに呼ばれ、開けた目の色は燃えるような紅(アカ)

そこだけ見れば、綺麗な天使のようだ


しかし背中に生えた羽の様な物は、真っ黒なので堕天使とでも言おうか...



とりあえずは全身魔装出来たらしい







『...主は、シンドバッド王か?』

「えっ、そうだが...ライじゃないのか?」



目の前にいる人物はどう見てもライなのだが、纏うオーラみたいなものが少し違うことにシンドバッドも気づいた




『我はベリアル...主が魔装したゆえ、こうして話せるようになったようだ』

「...そんなことオレでもなかったぞ」


『我も驚いているのだ...まさかこんな事になろうと...主?』

「どうしたんだ!?」




会話の途中で、言葉の切れたベリアル

慌てて近寄ったシンドバッドが次に見たのは、いつもの表情を浮かべたライだった




『あれ?シン?オレ魔装出来てる?
って何これ!?髪真っ白なんですけどー!?つーか羽生えちゃってるし!!』

「はぁー...」




自分の姿を見て驚いているライは、どうやら本当に本人のようだ

先程のベリアルの立ち姿がウソかのように、キョロキョロ自分を見ているライ





『うわー全身魔装ってなんか...』

「なんか...?」

『恥ずいんだけど...この腹回りとかさー...』

「...はっ?」



自分のお腹を擦りながら言うライに、シンドバッドも言葉が出ない

しかし、ライの言うように

普段の服よりも、数段露出も多くなり、女である事は一目瞭然なのだ




「それにしても...一発で魔装できるとは、オレも驚いたよライ」

『だよね...自分でもビックリ!はぁー疲れた...』




ため息をつくと共に、魔装を解除したライ

どうやら本当に疲れている様子で、今にも倒れそうだ



クラッ




「おっと...大丈夫かライ?」

『んー無理だ...シン抱っこ』

「ハイハイ...部屋に戻るか?それとも飯にするか?」





かなり前からお腹が空いたと言っていたので、この提案をしたシンドバッドだが

肝心のライは、もう既に寝息をたてていたのであった...





「しかたない、部屋に運んで...食事も用意させるか...」





次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ