マギ長編

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「こんな所にいやがったのかバカ殿ー」

「ジュダル!?」




魔法のじゅうたんから降り立ったジュダルに、かなり周りがざわついている


つーか、嫌な予感しかしないんだけど
オレなに今日厄日なの...?





「ここで何してんのー?」

「アイツ昼間の...」




何故か昼間にいなかったアラジンも驚いた顔をしているけど...あったのか?


相変わらず笛は光ったままだ




「ジュダルお前、アブマドの手先として来たのか...それとも煌帝国のか?」

「あー違う違う!正直オレそういうのどーでもいいから!」




あの時と変わらない無邪気な笑顔のジュダル

少し懐かしいと思ってしまったことは、ダレにも内緒だ




「この国でいったい何をする気だ」

「はぁーオレには経済ってのは興味ねぇー
それよりオレが好きなのは...戦争だよ」




ニヤリと笑いながら、それでいて無邪気に話し出すジュダル



「今の煌帝国は強いんだぜ!!兵隊は沢山いる、迷宮攻略者は5人もいるし、迷宮怪物軍団もできたんだ!!」


「貴様ら...!」



「あー勘違いすんなよ!オレが一番くみたいのは、シンドバッドお前なんだぜ!」





あーあ...
昔から言ってたけど、ジュダルはまだシンと組みたいんだね...





「だからいい加減オレと組んで、世界せーふく目指そうぜ!!」

「オレはお前らの操り人形にはならん」


「はっ、またその返事かよー」





つれねーなーなんて言ってるジュダルは本当に可愛いんだが...

性格はちょっとアレですなー



それよりもオレに気づきませんよーに!







「...ん?オイそこのお前!!なんかお前の周りのルフ変だなー」


『...!?』


「お前...誰だよ!!」

「ジュダル、ライは関係ない!!」

「あーライ?」





ジュダルの注意がオレに向くと、シンがかなり慌てているように見える

別に平気だよーシン




「ライってあのライ?本当に...?」

『そのライだよ、ジュダル...久しぶり?』ニコッ



そう言いながら、魔法で変えていた髪の色を元に戻した

すると、やっと理解できたのかジュダルの顔がみるみる涙に濡れる




「お前...どうして煌帝国に帰って来てくれなかったんだよー!!オレずっと待ってたんだぞ!!」

『うわっ!!?急に抱き着くなってジュダル』




シンに向き合っていたと思えば、即座にオレに向かって飛び込んできた

まぁ予想の範囲内だったから、ちゃんと受け止めたけどな...

あと、涙つけないで...




「ライ...お前、ジュダルと知り合いだったのか!?それに煌帝国に帰るってどういうことだ!!」

「なんだーライ、お前バカ殿に何も話してなかったのかー?」


『お前はちょっと黙ってろジュダル...シン、オレはお前に会うまでに、ちょっとだけ煌帝国に居たんだよ...』





後ろにいるジャーファルが警戒し始めたのにちょっと落ち込んだよ...

シンの顔も歪んでいた





『ちなみにその時、命を救ってくれたのがジュダルだったってワケ!
だから、オレはジュダルと知り合いだったってことだ』

「えーなんかオレに対して冷たいよなーライ〜!オレは、ずーっとお前に会いたくて、ちょいちょいバカ殿の所に行ったりしてたんだぜー?」

『そうなのか...?』





なにそれ、初耳なんだけど...

つーかオレを捜してたんだジュダル

可愛い所もあるんだな!!





「そーだよ!!でも、何度行ってもそれらしい影もないし、バカ殿にはライが生きてるなんて言いたくなかったし!」

『おーよしよし!結果的には会えたんだからいいだろ?』

「ムスッ...いいけど、ちゃんと煌帝国に来いよ!!むしろ連れてく!!」

『いや、それはムリだから!』




オレの腕を引っ張り、本当に連れて行かれそうになってビビッた



しかし、それもジュダルが彼に気づいたことで未遂に終わった...







「アレ?何コイツ...」

『...』

「ライ...コイツの周りのルフ、変だよ」

「...」




シンの方を向くと、頷かれた

さすがに隠せないと思ったんだろう





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