マギ長編

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「ライ、迷宮へ行ってくれ!!」

『...は?』

「だから、迷宮攻略してくれ!!」

『いや、それはわかったから...』




そのことで話をしようと、部屋に入るなり

いきなりこの一言、意味不明である





シンは一人、ライもとうとう迷宮攻略者かーなんて言ってるけど

まだ攻略してないし、行くとも言ってないんだけどー...



オレはジャーファルに一応理由を聞いた






なんでも数日前に
突然、シンドリア近郊の海の上に迷宮が出現したらしい


このままでは交易にも影響があるからマズイという事になり

オレに白羽の矢が立ったらしい



おじさんから聞いた話は、どうやら本当のようだった...

















『わかったよ...行けばいいんだろ?
えーっと、一人で行けばいいのか?』

「はい、不安ではありますが
ライなら心配ないだろうという、私とシンからの提案です」

『コウエーなことでー』

「一応、ピスティにその場所まで案内させますので」

『んで、オレが帰ってくるまで待機ってか?』

「はい、なるべく早く帰還することを祈っております」






オレ一人っていうので不安もあるけど
もう決まったことなら行くしかないんだろうな...



でも、あのこともあるしね...

ムリは出来ないよな...
























『という訳で、オレ、迷宮攻略に行ってくるなヤム』

「何がという訳よ!!今回ばかりは、許可できないわ!!アナタの体が心配よ!!」




ヤムの後ろでは、オレ専用になった医師が首を縦にふっている


まぁそれは当然そうだよな...


でも、今回はオレも譲る気ないから




『それでも、なんと言われようと行くよヤム...』

「アナタ一人の体じゃないのよ?本当にわかってるの?」

『...わかってる、それでもオレはシンが行けというなら行くよ!』

「...」




最初にオレに話してくれた時みたいに、今にも泣きそうなヤム


ヤムには、本当に心配ばっかりかけてるよなオレ...





「しかしライ様...お言葉ですが
ご出立なさるまでにもし万が一、体調を崩されるようなことがあった場合は、即刻迷宮行きを中止なさいますように」

「そうよ、それだけは約束して!」


『わかってるってー!
オレだって、ちゃんと自分の子供の顔は拝みたいからね!』




あくまでも、明るく言えば
ヤムの顔は少し和らいだと思う


それでも、医師はまだちょっと渋い顔をしていたけれどね...











医師を退出させてから、ヤムとこれからのことについて話あった



「ライの性格は、一応把握しているつもりだけど...」

『なにそれ怖っ!?まぁーわかりやすくはあるよねオレ!』



空気が重いのは、わりと苦手なので
茶化しながら言ったらヤムに怒られた




「ふざけないの!!
もし万が一、迷宮でお腹の子が危なくなっても、アナタは自分を最優先しなさいよ!!」

『うーんそれはどうだろう...』

「いい!!」

『...ハイ』





ヤムの勢いにそう返事をせざる終えなかったオレであった...


つーかお腹の子が危ないって
オレも危ないってことじゃないのかよ...




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