マギ長編

□小話
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〜紅炎と紅明〜



『...ヒマだ』


今日はジュダルは朝から
部下の人に連れてかれてしまった



此処に着てから数日

いまだにジュダルと紅玉しかしらないオレにとって

この状況はとてつもなく暇なのだ...




『そーいえば、城の外に出なければ
自由に歩きまわっていいって言ってたなー』


そうと決まれば、善は急げ!!



オレは、一応黒刀を腰に提げ
自分の部屋を出たのであった...















数時間後−−



『ここ何処だ...?』


どうせならばと
いつも歩いている所から外れて
どんどん廊下を進んでいったのだが...

それが間違いだったみたい



『完全に迷子じゃんオレ...』



とりあえず、この辺の部屋に入って
道を教えてもらえばいいんだ!





ってことで
目の前にある部屋の扉を数回叩く




「はい、誰ですか?」

『スイマセン、道がわからなくなってし...』

「どうかしましたか?」


扉から出てきたのは

先日、ジュダルから聞いた人の特徴にそっくりな人物だった



『アナタは...紅明様?』

「はい?そうですが...あなたは」

「どうした紅明?誰か来たのか?」



紅明がオレを見て何か言いかけると
部屋の中から、違う人物の声が聞こえた





「兄上...この者が、道に迷ったと」

『兄上...?』



って紅炎じゃないのか!?


マズイって!!

いくらジュダルと仲良いからって
それとこれとは別じゃん...




なんて、顔には出さずに
どうやってこの場を切り抜けるかを考えていると...




「お前、ジュダルの言ってたライか?
一度会ってみたいと思っていた所だったから丁度良い、入れ」

『はっ?』

「兄上...私は書類の方を持っていきますので、失礼します」




紅炎の言ったことが一瞬理解できず
フリーズしていると

紅明はそのまま部屋を出ていき


残ったのはオレと紅炎だけになった...




「いつまで其処にいるつもりだ?座れ」

『ハイ...』



どうしていいかわからず突っ立ていると

紅炎の正面を指されたので
素直にそこに座った







最初の内はちょっとビビッて
紅炎の話を聞いていただけだったが

徐々に打ち解けて
オレも冗談を言えるまでになった

それでも、相手は皇子なわけだから
オレのない脳を総動員して敬語を使った



何だかんだ言っても
ジュダルから聞いた人物像よりも
遥かに話しやすかった
(戦争が好きだって聞いていたからな)









「オーイ、紅炎!!オレのライ見なかったかぁー?」

『あっジュダル!』




暫く話していると
結構な時間が経っていたのか

オレを捜してくれていたらしいジュダルが窓から現れた




「なんだよーライ、紅炎とも仲良くなったのか?」

『ハハッ、道に迷っちゃって!』

「ったく、どうやったら此処までこれんだよ...」





ジュダルはそう言うとオレの手を引いて
外に浮いていた、じゅうたんに飛び乗った




「じゃあ紅炎、コイツのお守りありがとなー」

『ムッ...お守りってなんだ!!』

「本当のことだろーが、バーカ!!」




ジュダルはムカついたが
ちゃんと紅炎にお礼を言っておかないとね
(仕事邪魔したっぽかったし)



『紅炎様、話せてよかったです!
また、来てもいいですか?』

「ああ...好きなときにくるといい」

『ありがとうございます!!』




その言葉が発せられると
じゅうたんはオレの部屋へと向かって飛んだ








その後も暇さえあれば
迷宮やジンの話などを聞きに

紅炎の元を訪れているライであった...



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