マギ長編

□小話A
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〜見かけによらず〜


『あー疲れたぁー!!』

「全然そんな風には見えないよーライ!!」

『失礼なーこれでも必死だったんだぞー』

「うっそだー!!」



オレはシャルとの稽古を終え
かなりの汗を掻いたため、風呂場に向っていた


何故かピスティも入ると言って
ついてきている現状



そして途中
ヤムの所に寄って行こうという事になった(ヤムはここ何日か部屋に篭っているらしい)





















バシャーンッ




『ブッ!?オイ!!
ピスティ、遊ぶんじゃねぇーよ!!』

「そうよ!!こっちはゆっくりしたいんだから!!」



「えー固いこと言わないでよー」




風呂(大浴場)に入るなり
飛び込んできたピスティ

完全に子供である(見た目も含めて)




「ライもしかして、昨日もお楽しみだったー?」

『...はっ?』

「だって、赤いマークがいーっぱいついてるよー?王様って独占欲強いんだねー」


いがーい!!とか言いながら
はしゃいでいるピスティ




前言撤回、完全にマセガキだコイツ!!


つーか、シンにそれだけはやるなって言っておいたのに...後で殺る






『そういうピスティだって、彼氏さん沢山いるんだろ?泣いた男がいっぱいだってなー』

「えーなんで知ってるのー?それに、みーんな大好きなんだからしょうがないじゃん!」

『うわっ!男の敵だー...ヤムも何か言ってって...どうしたヤム?』




オレとピスティの話を聞いていたとは思うんだけど
全くもって反応が鈍いヤム





「あーヤムは、この手の話には弱いからねー」

『あぁそういうこと...』




だから顔が真っ赤なのか!意外とウブなんだな...可愛い








「ねーライ」

『なんだピスティー?』

「ライって、見かけによらず結構胸あるよね...!」

『そーかぁー?って、目が恐いぞピスティ!!?』





しばらくゆったりと湯に浸かっているいると、ピスティから殺気を感じた...




なんでも、今日一緒に風呂に入るまでは
オレの事を同士だと思っていたみたいだ(ヤムはデカイからそういう意味では嫌いらしい)


そんな事を言われても、こればっかりはどうしようもないよな...






『別にそれで損してるとかないだろ?実際、ヤムよりもピスティの方がモテてる訳だし?』

「...それもそっかー!!」




オレの苦し紛れの言い訳も
どうやら良い方に機能したらしい



そのままのテンションで先に出ていったピスティ




『じゃあオレたちも出るか、ヤム?』

「好きでデカイワケじゃないの...」




あーさっきのことか...ヤムはヤムなりに気にしているっぽい





『何言ってんだ...ピスティにはああ言ったけど、ヤムにはヤムのいい所があるだろ?』

「でも...」

『オレは、ヤムのそういう可愛い所好きだよ?』

「はぅ...」




バシャーーンッ






笑顔で思ったことを口にすれば
ヤムはそのまま湯に倒れてしまった...













その日から何故か数日間は
ヤムに避けられ、ちょびっと哀しいオレであった...





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