マギ長編

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「王様〜こっちのなんていかがですか?」

「こっちも今日入ったばっかりなんですよ〜?」



声のする方へ目を向けると

若い女の人から、商品を進められているシンが目に入ったのだ



「んーそうだなーどっちももらお...今日は止めとくよお嬢さん方」






もちろん睨んだら、殺気でも感じたのであろう、買うのを止めてこちらに何事も無かったかのように歩いて来た




「まったくライの落ち着きの無さには困ったものだなー」

『お前の浮気性の方が、困ったもんだと思うぞオレは...』ボソッ

「う゛っ、今それを言うか...」




事実だから別によくない?

それに人のこと放って置いて、よくそんな事が言えるよなコイツも...





「えっまさか、シンドバッド様!!?」

「本当にライさんお友達だったの!?」

『えーなにさー、信じてなかったのかよ二人とも!!』




まぁ別に信じていなかったって訳ではないと思うけど...

ちょっと傷ついたぞオレ...






「ライ、今日はもう仕事は終わったから街を案内するよ!!」

『...お腹すいたー』

「もちろん、好きなだけ食べなさい!」

「ちょっ、シン!?」



気前のいいシンとは違い、少し慌てるジャーファル

多分オレの食べる量が尋常じゃないから、お財布の心配だろう...




「ジャーファル、オレ達がライを放置してしまったんだ、これくらいして当然だろ?」

「わかりましたよ...私はまだやることがありますので、先に帰らせていただきます」

『えっジャーファル帰るの?』




てっきり、一緒に行くもんだとばかり思ってたんだけど...





「仕事がありますので...ライさん、シンから目を離さないでくださいね」

『...うん?』

「いいですか!!絶対ですよ!!」

『わかったよジャーファルくん...』




曖昧な返事をしたら、物凄い顔で睨まれたので怖かったです

ジャーファルは怒らせちゃいけない人NO.1ですね...















「ジャーファル様は、怖いお方だったんですね...」

「いや、あれは...オレが悪いのからなー」

『シンの所為で、オレまで怒られるのだけはゴメンだからな!!』




ジャーファルが去っていくと
緊張していた空気が少し和らいだ




「それよりもライ、いままで何してたんだ?」

『うーん...ふらふらしてた?』

「何故疑問系なんだ...まったく
お前も人の事言えないくらい自由だよな...」




はぁーっと、シンにため息をつかれた

お前と一緒にすんなと思ったけど
近くにはおじさんたちがいるので今日はやめておくことにする





『...おじさん、ユイちゃん借りてもいいかな?』

「えっ、何でですか?」

『あー敬語はいらないよ!
街の案内を頼もうかと思ってね、ダメかい?』




後ろでは、シンがオレが案内するのにーと文句を言っているが、無視する

だって、こういうのは住んでる人に案内してもらった方が楽しいだろ?




「お父さん、私行きたい!!」

「はぁ...ウチの子でいいならお願いします」

『こっちこそお願いね!ユイちゃん、まずは美味しいご飯を食べたいなー!』

「じゃーまずはこっち!!」





オレの手を引きながら歩くユイちゃん

その後ろから、いまだに文句を言っているシンがついてくる






今日は、楽しい一日になりそうだ!



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