マギ長編

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「それにしてもお一人なんですか?
今まで噂では、外に出てるのを見た人はいないと...」

『何その噂...つっても、今日が初街だけどな!』

「そうでしたか...いかがですかこの国は?」



...いかがですかって

そんな笑顔で見られたら、これは答えるしかないんだよね...?





『うーん...さすがシンの国ってゆーかなー豊かで人々の笑顔が溢れてる、いい国だよな!!』

「そうですよね!!」

『あとはー飯が美味いのもいいよな!』

「あっよかったら、これはいかがですか?今朝、取れたばかりなんです」





そう言って、手渡された果物
どうやらタダでくれるらしい




「あーお父さんったら、またタダであげちゃってー!!」

『...?』

「ユイ!?この人は、特別だからいいんだよ!!」

「特別って何よ!!そーいっていっつもお母さんに怒られてるじゃん!!」



突然、店の奥から
5,6歳くらいの女の子が出てきたのだ


どうやらおじさんの娘さんらしい




『えーっとゴメンね、ユイちゃん』

「あーいいの!お兄さんは悪くないから!」

「酷いぞユイ!最近本当、母さんに似てきててオレは哀しいぞ」



本当に泣き始めたおじさん


「お兄さんお名前は?見たことないけど、旅人さん?」



しかし、さして気にした様子もなく
オレに話しかけてくるユイちゃん



それに、質問が父であるおじさんと全く同じでちょっと可愛い




『オレはライ、シンドバッド王の友人だよ!よろしくユイちゃん!』

「王様のお友達?...ってことは、噂のカッコイイ人ってライさん!?」

『カッコイイかは知らないけど...その噂のライは、オレのことだよ?』



うっそー!!と言いながらはしゃいでいるユイちゃんは、さっきまでと違い年相応に見える


そして、可愛い!!マジで可愛い!!







しばらく二人と談笑していると


突然、店主の様子がおかしくなった





『ん?どうしたんだおじさん?』

「ライさん捜しましたよ!」

『あれージャーファルじゃん』




どうやら、オレの背後に立つジャーファルを見て固まっていたようだ



「ジャーファルじゃん、じゃありませんよ!!突然いなくなったんで、誘拐されたのかと思い今まで捜していたんですよ!」

『あーそりゃー悪い事をしたな!』



悪いなんて、これっぽっちも思ってませんけどねー

放って置くほうが悪いんだよーっだ!




「スイマセン、ご迷惑をおかけしていたみたいで...」

「いえ、オレたちが引き止めてたんです...スイマセン、ジャーファル様」

『おじさんが謝ることないよー
オレを放置してたジャーファルたちが悪いんだし!』




本当のことを言うと
ジャーファルの顔が引きつったのがわかった





「...それに関しては私達が悪かったですが、何も言わずにいなくならないでください!
シンが大騒ぎして大変だったんですよ!」

『あーそれは悪かった...んで、そのシンは何処にいるんだ?』




てっきり、ジャーファルと一緒にいると思ったが、手分けして捜してたとか?




「アレ?さっきまでは一緒にいたんですが...」

『見当たらないけど...』





キョロキョロ周りを見ても
シンらしき影は見当たらない


しかし、次の瞬間

聞き覚えのある声が少し離れた所から聞こえたのだ






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