マギ長編

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『シーンー?』




いつもならオレが、部屋に入った瞬間に飛んでくるのに...


机の上、そして手前におかれたソファーの
前のテーブルにすら書類の山




これ、終わったやつだよなーオイ...




とりあえずシンがいるであろう
机のそばまで歩いていく





『あ...寝てるのか?
シンー、お昼だよー?食べるかー』

「んー...」


体を揺すってみるが
どうやら本当に眠ってしまってるようだ


このまま寝かしていてもいいのかな?






ふと目に入った
机の上の書類を手に取ってみる




『あっでも、これ終わってるみたいだな...
だったら無理して起こさなくてもいいのか?』

「...あれ、ライか?」

『悪い、起こしたかシン?』




紙の音で起きたのだろうか
椅子から立ち上がり伸びをしているシン





「なんだ、ジャーファルに言われてまた見張りに来たのか?
だったら残念だったな、今日の分はたった今終わらせた所だ!!」

『みたいだな...』





オレに向かって
ドヤ顔で言ってのけるシン


いつもこれだけ真剣に仕事をしていれば
ジャーファルの疲労も少しは減るだろうに...






『昼ごはん持ってた!食べるか?』

「もちろんだ!!ちょうど腹も減っていたんだよー!
ライはオレのことをわかっているな!」

『ブッ!?』




結局、抱きつかれたオレ


体格差があるから若干ふらつき

そのままお尻から床に倒れた


ドサッ






『ってー...お前何すんんっ!?』

「...んっ、ライ補充!」




コイツどさくさに紛れてキスしやがった!?

しかもなんだ、オレ補充って!
意味わかんねぇーよ!!





『腹減ってんだろ?
オレもだし早く昼食べよーぜ?』

「えっだから、ライを食べ『ふざけんなー!!』..ブッ!?」





本当、油断も隙もありゃしねー

オレを食べるってなんだよ!!
オレは食べ物じゃないっつーの!!



それに...






『オレは、お前の恋人でも部下でもないんだよ!!
こういうことがしたいなら、そういう女に頼めバカ!!』


「...ライ!」



ビクッ




『なんだよ、シン...』





いつになく真剣な顔のシン

これは、完全に怒った時の顔だ...まずい






「オレがいつまでも冗談で、こんなこと言うと思うのか?」

『...思わないけど』



思わないけどさ...



オレとお前じゃ住む世界が違う...

いや、変わってしまったんだよシン...






「だったら、なんでそれについて答えようとしてくれない?
オレだって、お前が拒否すればこんな事しないぞ!!」

『それは、嘘だな...』

「まぁそうだが...って話をそらすなライ!!」







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