Lei lo vuole!

□蔵
1ページ/1ページ






「ッ涙!!!!」

「蔵っ、先輩ッ…………?」

「く、ら……」





霞んできた視界の中にミルクティー色が飛び込んできた

綺麗なミルクティー色

それが蔵先輩だと分かったのは先輩が私の名前を呼んでくれたとき

姫華ちゃんは蔵先輩を見た瞬間絶望に瞳が染められた気がした

姫華ちゃんの指が緩んで大量の酸素がなだれ込んできて思わず咳き込む

あー、酸素ってこんなに美味しかったっけ?


私が咳き込んでいるうちに蔵先輩が放心状態の姫華ちゃんを私の上からどかしてくれた

姫華ちゃんは転がるようにして逃げていった

逃げるんならこんなことすんなよな





「大丈夫かいな、涙???!!」

「げほっ、だっ大丈夫だよ、蔵先輩!」

「良かった……!!」

「にしても何で私の部屋に来てくれたの?」

「……いや、愛沢がこっち走っていってんの見えたがらまさか思てな」

「そっか!とりあえずありがとう!蔵先輩が来てくれてなかったら私死んでたかもしれない」

「いや、助けんのは当たり前やん!涙が無事やって何よりや!」

「蔵先輩……」





少し照れたように笑った蔵先輩にどきんと胸が高鳴った

いやなんだいきなり

吊り橋効果ってやつか?

私はそんなの認めないぞ

でも気持ちとは正反対に赤くなっていく顔に、思わず手で覆った





「?涙……?」

「いっいやなんでもない…!!」

「もしかして、照れとるん…?」

「っ?!」

「え、図星?」

「ちゃっちゃいますよ…!!」

「涙、関西弁なっとる」

「え、あ、!」

「……っ!」





私がつい慌てていると、蔵先輩が急に顔を片手で隠しながら向こうを向いた

?どうしたんだろ、いきなり…





「蔵先輩?」

「…なにもないよ」

「次先輩が標準語なってる」

「……あ"ー、もう可愛すぎやねん!!!!」

「うわっ」





次の瞬間私は蔵先輩の腕の中にいた

先輩のシトラスの香りに包まれる

なんか心臓がうるさい

今日の私はおかしいみたいだ





「せ、んぱい…?」

「今言うんもあれやけど、……ッ好きや!!
一目惚れやってん、んまに愛しとる!!」

「……わっ私、」

「ん?」

「蔵先輩の笑顔見たりしたらすごく心臓がうるさいの…!いっ今だってすごくうるさくて、先輩に聞こえてないか心配なぐらいドキドキしてて…!!」

「…それって、」

「私、先輩が好き、かもしれない……」

「っ、涙!!じゃっじゃあ彼女、ってことでええねやんな…?!」

「先輩、なら……」





先輩がさっき以上に私を強く抱きしめた

あー、なんかよく分かんないけど幸せだ





「涙、」

「え?」

「せっかく付き合ってんから一緒に住もうや、もう財前に邪魔されんのはイヤやわ!そんで毎日一緒に学校行こな?……いやもう可愛え涙をほかのゲスな奴らに見せたない、っていうか綺麗な涙が汚れてまうやん。まあ涙が行きたいって言うんやったらまぁ仕方ないけど…。でも財前とも話したらあかんで?もちろんクラスの男子とも。テニス部もやで?そんなん当たり前やん!もしかしたら涙の友達の女の子にまで嫉妬してまいそうやわぁ…。そん時は暖かい目で見てなあ?
ほんで昼休みは涙の愛妻弁当一緒に食べるねん!涙があーんてしてな?俺ホンマに好きな子にやってもらうんが夢やってん!弁当にはたこさんウインナーと卵焼きと飯にハートな忘れんたらアカンで?!やっぱ弁当と言えばこれやろ!うーん想像しただけでエクスタシー!あ、でも同棲するんやったら毎日涙が作った料理やんな…、毎日涙の味噌汁食べれるとか新婚みたいやん!
あー、ヤバいわぁ!!!」





………あり、間違えちゃったかな











これにて終幕

(ンマに好き、大好きやで)
((……やっぱこれで良かったよ、ね))






[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ