冬の海水浴

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 青峰SIDE





「青峰くん、」

「あぁ?」





俺には好きな女がいる


氷戯蒼空


綺麗な黒髪に黒い瞳

第一印象は真っ黒いやつ


幼なじみのさつきと蒼空は中学に入ってすぐ仲良くなって、そっから必然的に俺も仲良くなった

さつきが馬鹿みてーに頼んで、蒼空はバスケ部のマネージャーに

蒼空にも幼なじみがいるってとこからテツの存在も知った


見た目はクールっぽいけど中身は正反対

面倒見がよくて、バカみてーによく笑って、ガキみてーに怒ったりして

すぐにバスケ部にも溶け込んだ

バスケ部の妹的存在


初めはそりゃ俺も似たようなもんだったと思う

けど蒼空のいろんな一面見て、俺たちバスケ部を支えてくれるところを見ていつのまにか惚れてた

いつか、なんて知らねー

気がついた時には、アイツらに取られたくねーって考えるようになってて、我ながら笑えた


こんな俺だけど初恋

強いて言うなら幼稚園ん時の先生か?

今思うと胸でかかったな


とりあえず、こんな俺だからどうやってアピールすればいいかなんて分かるはずがねー

俺に寄ってくるのはすぐ足開くような奴らばっかだったし


ただ言いたいこと言って、一緒にいたい時は一緒にいて

まだ嫌われてないと思う。つーか普通よりは上だって自惚れてる









んな中1の途中

ある女が俺に告白してきた

正直告白されんのは数えきれねーくらい

何回かヤった女

うっとうしくなさそうだったし、蒼空と同じ黒髪だから選んだ女

身体ん相性は最高

でもよくしてやろうとは思わねー

尽くしてやりたいと思うのは蒼空だけ

俺の頭の中で何回も何回も乱れる蒼空

本気で興奮して、求めんのは蒼空だけ



いつも通りフろうとしたら、女が言った

今思えば悪魔の囁きだったのかもしれねー





『大輝は好きな子がいるんでしょ?でも発展がなくて、ほかの女で吐き出してる。…ならやきもち妬かせてみたら?敢えて離れるの』





その考えに、ストンとなにかに当てはまった俺がいた

気がついたら付き合ってて、次の日蒼空とかほかの奴らに報告

そん時の蒼空の顔は今でも鮮明に思い出せる


傷付いたような、泣きそうな、必死に耐えてるような、見たことねー表情

ゾクゾクした

おかしいって言われるかもしんねーけど、ただ興奮した

俺のこと嫌いじゃねーんだって安心できた



もう一回見たい

あの表情をもう一回見たい

嫌われてないって証拠がほしい



もう後戻りはできなくなってた

いろんな女と付き合っては捨てるの繰り返し

それでも変わらず蒼空はあの表情を浮かべる

変態みてーだけど快感



でも中2になって、黄瀬が部活に入った


黄瀬は蒼空に惚れてる


一瞬で分かった

今まで蒼空に惚れた、いろんな男を見てきたんだから当たり前だろ

でも蒼空は全く見てねーのもすぐ分かった

安心した。それと同時に嘲笑してる俺もいて、変わった俺が嫌になる



何人目か分かんねーくらい女と付き合ったある日、授業がだるくなって屋上でサボった俺

いつのまにか寝てて、重たい瞼を開けると蒼空がいた。夢かって本気で考えちまう

話を聞いてるとさつきが来させたらしい

さつきに感謝


蒼空は、彼女の話したらまたあの表情を浮かべた

またゾクゾクして、安心

すげー嬉しい


んでチャイム鳴ったけどまだ一緒にいたくて引き止めたら、困ったみてーに笑いながら了承してくれた蒼空

ここで、ズボンの中のケータイが震える

取り出すとメールが来ててさつきから




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From;さつき
Sub
本文



蒼空、取られちゃうよ?




------





蒼空が取られる?

黄瀬に?

ありえねーだろ


俺はケータイを閉じた



























そんでその日の部活

いつもみてーにテツと部活に行ってると急に真剣な顔して俺の名前を呼んだ





「…蒼空のことです」

「、蒼空がなんだよ」

「僕は蒼空を妹のように思っています。蒼空をこれ以上傷つけるなら、…たとえ青峰くんでも許しません」

「はっ、なんだよいきなり」

「それだけです」





なんかイライラした








































ぐるぐる世界

(なんだってんだよ、)









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