冬の海水浴
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桃井SIDE
私には幼なじみと友達がいる
2人共大好き
あ、恋愛感情ではないからね?
そんな大ちゃんは蒼空が好きで、蒼空ちゃんは大ちゃんが好き
両想いなんだよね
たぶんお互い一目惚れ
2人の楽しそうな、歯痒い関係を見ながら、私はちょっぴり疎外感を感じながらも幸せそうな2人を見てるのが大好きだった
蒼空は可愛い
笑うと天使みたいだと思う
そんな蒼空に惚れたのは大ちゃんだけじゃないのは当たり前で、
たくさん男の子がいるなかで、惚れちゃいけない人が蒼空に惚れた
『蒼空っち!!』
たぶんきーちゃんは2人の気持ちは百も承知してる
だって2人が分かりやすいのもあるけど、それ以上に2人を見るときはいつも悲しそうに笑ってるから
きーちゃんは泣きそうな顔しながら笑う
叶わないことも百も承知な筈なのに蒼空を想い続けるきーちゃんを見る度にこっちまで切なくなってくる
そんな帝光バスケ部の三角関係は大ちゃん、蒼空を除いたレギュラーは全員知ってる
むっくんも赤司くんもテツくんも
地味にみんな鋭いし、蒼空を妹みたいに思ってるからね
たぶんきーちゃんは自分の気持ちには気付かれてないと思ってるけどなめられちゃ困る
そんな関係が壊れたのは突然
ある日何を思ったか大ちゃんは違う女の子と付き合い始めた
ワケが分からない
大ちゃんは蒼空が好きなのになんで?
蒼空は傷付いて、それを見たきーちゃんも傷付いた
それから大ちゃんは別れては付き合って、そんな繰り返し
付き合ってる間も蒼空が好きなのはすぐ分かる
けど大ちゃんが何を考えてるか私にさえ分からなくて、泣きそうな顔をしながらそれを見てる蒼空にどう言葉をかけたらいいのかも分からなかった
今日もきーちゃんが必死にアタックしてるのを聞いて泣きそうになる
最近はきーちゃんと一緒になる方が蒼空にとっては幸せなんじゃないかなって思えるようになってきた
大ちゃんには悪いけど、蒼空を傷付けるなら私は許さない
頼みごとをした蒼空が教室から出て行った
私はそんな背中にまた泣きそうになりながらケータイを開いて新規メールを作成する
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To;大ちゃん
Sub
本文
蒼空、取られちゃうよ?
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送信してまたケータイを閉じる
蒼空の食べかけのお弁当は、色とりどりだった