我流をゆく!

□望
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俺がコッチに来て次の日

朝の挨拶をして瓦礫の上に座る俺の横にシャルナークが座った

そしたら「しょーがないから説明してあげる」って言いながら幻影旅団のこととかを説明し始めたシャルナーク

どうでもよかったから流そうとしたけど、あんな前置きしながらも一生懸命説明してくるシャルナークがデイダラになんか似てたからしょうがねェし聞いてやる


この廃墟が幻影旅団のホームらしい

一瞬こんな廃墟がホーム?って疑問に思ったけど、暁のアジトも洞窟の中だから人の事言えなかった

そんで近々でかいお仕事があるからホームにメンバーが集まってるらしい

いつもは皆適当にしてるからこんなにメンバーは集まらねェらしいけど団長命令で招集されたんだと

主に情報収集はシャルナークがしてる

盗るモンはだいたいクロロが決めて、適当に山分け

気に入ったモンは手元にちょっと置いといて、飽きたら売りさばくらしい


ていうのがシャルナークが一気に説明した内容

話した後、どうだ!って顔してる

なんか可愛くて頭をぐしゃぐしゃってしたら、顔を真っ赤にされた

あーあ、昔はデイダラもこんなんだったのに


後のメンバーは各々の部屋でまだ寝てるだろう

日が昇ってきたのか、外から小鳥の鳴き声が聞こえる

さすがに寝ようとは思えなくて、部屋は用意してくれたけど一夜をここの広い空間で過ごした

段々とメンバーの数は減ってって、最後まで残ってくれたのはシャルナーク、1番最初に来てくれたのもシャルナーク

監視かなんかかな?

コイツは人を操れるみたいだし


瓦礫の上から飛び降りて、出口に向かう

後ろからシャルナークに声をかけられたけど、朝の散歩だって言っといた

だって本当のことだし


出口から出た瞬間、清々しいとはお世辞にもいえない空気が俺を包み込む

廃墟の周りには、なんかの残骸とかゴミしかなかった

遥か遠くに廃墟が小さく見えるけど、地平線までゴミの山が続いてる

遥か遠くから微かにうめき声や泣き声、悲鳴とか笑い声がいくつも聞こえた

くすんだ青色の空と灰色の大地

あるゴミの山の一つに登ってみた

ゴミがいくつか転げ落ちてって砂埃が立つ

景色はまったく変わらない

そこで、ぼーっと日が昇っていくのを見てた





「この世界は全部こんな景色なのかい?」

「、気付いてたのか」

「隠れる気無かっただろ?」

「…ここは流星街、この世の何を捨てても許される街だ。人間の欲望も絶望もその果ても、全てが詰まってる。ここで生まれた人間は世界では存在しない」

「綺麗だ」

「綺麗?こんなゴミの山がか?」

「人間の汚いところが全部詰まってる。外の人間が綺麗に生きていられるのはこの街があるからだ。なのにぜーんぶ見ないふり。まるでこの世界自体が人間を表してるみたいだ。人間が欲を知ったその時からきっとこの景色は何百年、何千年変わってこなかったんだろう。なんて綺麗なんだ!ここで生きてる奴らは外の奴らよりもずっと美しい。俺達の世界にはなかった」

「、芸術家の感性は理解できないな」

「俺が褒めるなんて珍しいんだぜ?」

「まあ、ここは俺達の故郷だ、褒められるのは悪い気はしない」

「なら幻影旅団も、クロロ、お前も美しいよ」

「お前はえらくストレートに人を口説くな」

「俺は自分の感性には嘘をつきたくないんでね」

「…やっぱりこの世界の、それも俺達の目の前に現れたことは運命だったんだと俺は思うよ。憂輝、俺達と仕事をしよう」

「近々あるでかい仕事かい?」

「ああ、憂輝の芸術が見たい」

「そーんな事言われたら俺断れねェじゃん」

「その硝子のような瞳から見える世界は俺達とは違ってとても美しく映るんだろうな」

「えらく褒めてくれるじゃねェか」

「自分の感性には嘘をつきたくないんでね。生まれて初めて心から欲しいと思えたんだ」

「…それは俺の能力かい?それとも俺自身?」

「人の心を覗けるくせに、性格が悪い」

「いひひ、さあ、仕事の話を聞かせてくれよ」





さっきの広いとこに戻ったらさっきからいたシャルナークに加えて、女性陣とフェイタン、コルトピとフランクリンとヒソカがいた

メンバーが全員集まる時はパクノダがご飯を作ってくれるらしい。早い者勝ちだけど

だからこんないい匂いがしてるのか

あとの男性陣はいつも昼まで寝てるらしい

俺とクロロが一緒に戻ってきたら皆にビックリされた

マチに、なにもされてないかい?って5回くらい聞かれたんだけど、どんだけ信用ねェのアイツ

シズクが料理を運んできてくれる

トーストにスクランブルエッグ、あとキャベツをカレー粉で炒めたやつ

一緒の食べ物もあるのか

それとも全部一緒なのかな


トーストをかじりながら仕事について話を聞く

俺以外はもう昨日の時点で聞いてたみてェ

つか話し終わった瞬間俺が現れたらしい


今回の仕事はある美術館の襲撃

世界中の美術館からお宝が集められるらしく、史上初の規模

ていうのは建前で、その地下では世界中の大富豪が汚い金で集めた宝、先祖が盗んだ家宝、世界と歴史から消えたお宝たちが各々の自慢のためだけに集められるらしい

表と裏、どっちも掻っ攫う

もちろん裏の方はいろんなやつらが絡んでくる

そいつらをぶっ倒しながら暴れて、暴れまくるらしい

ちなみに今日から移動して、明日の夜に祭に参加する

この世界じゃ、みんながチャクラを使えねェらしく、使えても忍法みてェにみーんな同じ技を使うわけじゃないらしい

まーた俺の芸術が増えるような相手がいるのかな

まあクロロが全員集めるくらいだから、それなりのやつらはいるんだろう

ああ、全部俺にやらしてくれたらいいのに

にまにまが止まらねェ

絶対いま瞳にヒビが入ってる

そしたらチャクラが漏れてたらしく、しずくに腹をつつかれて、ヒソカに音が出そうなくらい見られてた

ほかの奴らもみんな俺を見てる

持て余してるチャクラで作ったチャクラ玉を弄びながら立ち上がった

さっき食べたトーストのバターとか、俺達の世界とは比べものにならねェくらい美味しい

デイダラに食わせてやりたいな

ナルトたちは元気なのかな

我愛羅はちゃんと手錠とか捨ててくれたかな

なんだかんだで俺は寂しがり屋で、案外アイツらが大好きらしい


俺の探知にひっかかった

ポーチから巻物を投げて印を組む

こっちの世界まで来てくれンのかな

でもそーんな心配無用ですぐに巻物から煙が上がる


そこには、形は鹿に似てるけど顔は龍

背毛は五色に彩られ、毛は黄色く、身体には鱗を纏う

額の真ん中には鈍く光る一角

俺を強く見つめる麒麟がいた

伝説上じゃ、植物を踏むことさえ恐れ、ましてや殺生なんてありえないほど穏やかな性格、なんて書いてるけどコイツは違う

飼い主に似るっていうからか、俺がお願いすればなーんでもしてくれる

鳳凰は炎を司ってるけど、コイツは雷

静電気でパチパチバチバチ

誰かが息を呑む音が聞こえた

俺の言いたいことが分かったみたいで、麒麟はガラスがない窓から消えてく





「寅牛戌の方角に敵意を向けてくるやつがいるけど、どうする?」

「……っは、やっぱりお前が欲しいよ憂輝」





次の瞬間マチにまたクロロが殴られてた










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