我流をゆく!

□人
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「はい、おーわり」





暁に楯突こうとした雨隠れの反乱軍のラスト1人をお気に入りの真っ黒な刀で斬り捨てる

数はまあまあいたけど、ホントに雑魚ばっか

肉体的に疲れたっていうより、精神的に疲れた

だって、術も弱けりゃ体術も剣術もからっしき!

こんなんで、よく暁に楯突こうと思えたもんだ

思わずふうと息を吐いて、一緒に任務に来たデイダラと合流するのに歩き出す

洞窟の中に作られたアジト

探知系の俺にとって見つけるのなんて旦那を怒らせるより簡単だし、張られてた結界も数だけで強度は襖以下

今俺がいるのは広いドーム状の空間だ

親玉がいる奥の隠し道にデイダラを行かせたのはついさっき

そっちも一瞬だっただろうに、なんで俺が迎えに行かなくちゃいけねェんだ

歩く度にぴちゃぴちゃぺちゃぺちゃ

あー、こんなことになるなら染みてこねェように厚底でも履いてこればよかった

真っ赤に染まってるであろう靴下と忍足は、この真っ赤な水たまりを抜けたら履き替えることにしよう


細くて暗い道を抜ける

炎で照らされた部屋ん中には刀がたくさん飾られてあったけど、俺が気に入るもんはなさそうだ

切れ味も悪そうだし、見た目も気にいらねェ

部屋の奥の椅子にはやっぱり親玉らしき男が眉間にクナイが刺さったまま息絶えてた

その椅子の隣の台の上には木箱があって、それを不思議そうに見つめるデイダラ

そんなに真剣に見つめてンのか、俺の存在には気づいてねェみたい

声をかけるのも癪だから、さっきの飾られてた刀をわざわざ抜いて脳天めがけて投げてやる

そこでやっと俺の存在に気づいたみたいで、デイダラは慌てて避けてた

その刀は壁の岩に綺麗に突き刺さる





「なにすんだよ、憂輝!?」

「遅ェデイダラが悪いんだろ」

「この男がおもしろいこと言いやがったから、気になったんだよ、うん」

「おもしろいこと?」

「この箱に入ってる巻物に血を垂らしたら違う世界に行けるとか言い出しやだったんだ!これをやるから俺を助けろなんて言うからつい一瞬で止めさせちまったぜ、うん」

「違う世界、ねェ?」





デイダラがその木箱を開ければ、中は紙も紐も軸も全部が真っ黒な巻物

手に取って紐を解いてみても、中身はなんにも書かれてなくてただ黒いだけだ

特に変なチャクラは込められてねェ

入ってンのはこの巻物1つだけ

デイダラが透かしたりしてるけど、これといって変化はねェみたい

はてさて、どうするか





「オイラにはただの巻物にしか見えねえぞ、うん。憂輝はどうだ?」

「チャクラは感じねェな」

「この男の所詮戯言かよ、興味持って損したぜ、うん」

「デイダラ、その巻物貸せよ」

「?試してみるのかい?」

「もし罠でも、俺がやすやす嵌ると思ってんのかよ?」

「思ってるわけねーだろ、うん」

「ホントに違う世界に行けるなら、また俺は新たな芸術を得て、違う世界の奴らにも俺の芸術を認めさせることができる。いひ、こんなうますぎる話、誰が蹴るってんだよ」

「じゃあオイラも憂輝が入って安全そうだったらいくからな」

「おぉ、こいよ。・・・じゃあやってみるか」





親指を噛めば簡単に血が出た

それを数滴黒い紙に垂らして、そのまま紙に押しつけてやる

俺が他の巻物に血をやったなんてバレたら、ハクはすげェ不機嫌になるんだろうな

紙に押し付けた右手はそのままにして、左手で黒い刀を構える

デイダラも何が出てきてもいいようにあの粘土を構えてるみたいだ

ふと瞬きをした瞬間、俺の視界はすべて変わった













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