我流をゆく!
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「やっほー、サスケ」
「!お前は、」
次の瞬間お腹にダイブしてきたサスケ
嬉しいけど周りからの視線に気付け
最近はスリーマンセルとかツーマンセルとかじゃなくて1人でも行くようになった
今日の任務は角都の旦那からの命令で賞金首狩り
換金所は好きじゃねーから、ほかの賞金首狩ってた角都の旦那と飛段たちに途中で合流して瞳から出した死体5つを渡す
報酬として、くれるであろうお金のいくらかを先に渡してくれた
こん時に軽く頭を撫でてくれる角都の旦那に最近惚れそうなんだけどどうしようってデイダラにこの前相談したらぶっ倒られたから、このことは二度と口に出さねェって決めたのはつい最近
奢れよなんて小突いてくる飛段に、さっき使ったテマリさんの扇子を出せば、ゲハゲハ言いながら喜ぶからほんとに気持ち悪ィ
賞金首狩りは俺の芸術を認めせることも含めて好き勝手できるから個人的に任務の中ではお気に入り
俺の芸術を見た瞬間、死ぬ間際のあの顔は思い出すだけで俺をゾクゾクさせてくれる
そんなこんなで、2人と別れて水の国からの帰りに知ってるチャクラを感じた
それを感じたのと同時に切り株の上に止まる黒いカラスと目が合う
すぐにそれが誰のものか分かって、怒られるんだろうなぁなんて考えるけど、それとは逆に思わず口角が上がった
アイツどんだけ弟好きなんだよ、ほんと
ポーチからおもり付きのワイヤーを取り出してカラスに投げる
そりゃ逃げようとしたけど、俺から逃げられるわけねェだろばーか
そのままおもりはカラスの周りをグルグル回って、見事にカラスを1羽捕獲成功
カァカァ鳴きながらジタバタしやがるから辺りに黒い羽が散る
今楽にしてやるって
「火遁・龍火の術」
ワイヤーに着火さして、そのまま龍を模した火はカラスの元に
カラスの丸焦げの出来上がり
最近丸焦げを見る機会が多い気がするけど、……気のせいか
そんなこと考えてたら、丸焦げを通り越して炭になっちまってたからまだ出したまんまだったテマリの扇子で軽く扇いで風を起こす
そうすりゃあ雲が1個だけ浮かぶ青空に黒い炭が舞い上がってった
よし、これで見られずに好き勝手できるな
扇子を消して、なんやかんやで気に入っちまった飛段の鎌を出す
チャクラを感じる森の中に1歩入った瞬間、ものすげェ不快感
理由の一つ目はチャクラを感じ取られた不快感
俺のチャクラ感じ取れるなんて、褒めちぎりたいくらいにできる感知系だけど、それと同じくらいに鬱陶しい
これに関しては即効で口寄せした獏を送っといたから今頃悪夢という名の幻覚に魘されまくってるだろう
二つ目はこの森には結界と幻覚が混じったやつが張られてること
普通の奴が入っても気付かずにただの森ばっかりで同じところをグルグルする無限ループになる
あー、こんなの張れるくらいサスケは強くなったんだな
……でもさ、
瞳からパキパキって音が俺の耳に届いた
「チートって言葉は、俺のためにあンだよ!!!!!」
俺のチャクラを込めた鎌を何もない空間に振りかざせば、一瞬にして景色が変わる
1面木しかない森だったのに、一瞬で川辺に早変わり
目の前には驚いた顔してるサスケと水色と苦しそうに蹲ってる赤色
そして冒頭に戻るわけだ
「え、サスケが抱きついて!?は!?」
「あんな結界と幻覚張れるようになって、成長したなーサスケ!」
「…連絡もなしに何してやがったんだ、ウスラトンカチが」
「最近里抜けしてさ、サスケに連絡しようとしてもある方の監視がすごかったんだよ。にしても香鱗みたいないい感知系を選べるなんて俺見直した」
「!そうだ!!いきなり森に入ったっていうチャクラを感知した瞬間香鱗が急に苦しみだして、」
「あはは、それ俺のせいだわ!」
「はぁ!!?」
「感知された瞬間、すげェ不快だったから、思わず口寄せ送っちまったんだよ」
「憂輝、ここで香鱗にいなくなられちゃ困る」
「もちろん!こんな可愛い女の子って知ってたら俺もここまでしなかったのにごめんなー。ほらバッくん、でてこい」
蹲る香鱗の方に声をかければ、煙と一緒に現れた俺の口寄せのバッくん
急に現れたからか、水月が叫んでた
こいつうるせェな
バッくんは、伝説上の動物だって言われてた獏
うちの家に代々受け継がれる口寄せだ
頭を一撫ですると、賢いバッくんは分かってくれたみてェで香鱗の方を向いて欠伸を一つしてから、また煙と一緒に消えてった
俺の口寄せは皆賢いから助かるわ
「っあれ、うち……」
「香鱗、起きたか?悪ィな、変なことしちまって。まさかこんな可愛い女の子だとは思わなくってよ、気分はどうだ?」
「!!おおおおお前誰だ!!?うっうううちを知ってるのか!!?!?うっうちはこんないけめ…いや、こんな奴知らねーぞ!?!?うちはサスケひとす……いや何言わそうとしてるんだお前!?!?!?」
「この子おもしろすぎじゃね?」
「ちょ、サスケ、僕もそろそろ説明ほしいんだけど」
「ほら、抱きついてねェで1回離れろって、サスケ」
「……ッチ」
「この子お前らの前でもこんなん…ちょ、悪かったって!だからビリビリさせんな!!2回目だけど周りの目線に気付け!!!」
とりあえず顔が怖いサスケを落ち着かして、近くのでかい岩に腰掛ける
足だけ川に浸せば、思ったより冷たかったけど気持ちよかった
てことで素足なんだけどよ、それを当たり前みてェに触ろうとしてくるサスケは大蛇丸の元でなにを学んだんだ
結局俺の膝の上で落ち着いたサスケ
昔ならまだしも、お前の今の身長を考えてくれ
そのまた近くの岩に座った残りの2人
瞳を使わなくても2人が考えてることなんてすぐ分かる
だってサスケを見る目がすげェから
ついでに俺を見る目も
うん、分かるよ
別人だよな、このサスケ
「「(絵になってるから恐ろしい…!!!!)」」
……うん、まったく違うこと考えてたわ
「コイツは岩隠れの抜け忍、灘木憂輝だ」
「……いや、それだけなわけないよね、サスケ!?!?」
「なぜ憂輝のことをほかの奴らに話さなくちゃいけないんだ。名前を教えてもらっただけでも感謝しろ」
「木の葉の奴らってナチュラルにヤンデレぶち込んでくるから1番怖いんだけど」
「君ほんとにサスケなの!?!?」
「なっなななんでうちの名前知ってたんだ!?」
「!たしかに、名前知ってたから香鱗の知り合いかと思ったけど違うみたいだし、君ほんとに何者なの?」
「んー?君のことも知ってるぜ?鬼灯水月。今度水化の術見せてくれよ」
「コイツのチャクラは異質だ!うちはこんなチャクラ初めて感じた」
「その前に俺のチャクラ感知しただけでも、すげェ才能あると思うぜ。サスケがお前らのこと信用してんの分かるし教えてやんよ。嵐瀑眼って知ってる?」
「!!伝説上のでしょ、それ!?」
「伝説じゃなかったんだよなァ、それが」
「……たしかに、それならうちの名前知ってたのも、うちが感じたことなかったチャクラなのも納得できるな」
「さすが俺の憂輝だろ」
「なんでサスケがドヤ顔すんだよ。あといつ俺はサスケのものになったんだ」
片手でチャクラ玉を出して遊びながら話してやったら、水月が近付いてきて俺の顔をのぞき込んできた
のぞき込んできた理由がすぐに分かったから瞳を変えてやったら、またビクッてしやがるからおもしれェ
近いんだよとか言いながら水月の顔を思いっきり押したサスケ
水月の今の顔、すげェブサイク
それから普通にキスしてこようとするサスケの顔を次は俺が押してやる
そんな不貞腐れた顔しても、俺は何にも悪くねェからな
あとサスケとキスなんてしたこともねェから驚いた顔すんのもやめろ
「まァ、そんなの関係なく仲良くしてくれよ!お前ら面白そうだし」
「どうせ見えてるけど、僕は鬼灯水月。こちらこそ仲良くしてね」
「うっ、うちは香鱗だ!かかかか可愛いなんて言われて照れてねーんだからな!?」
「うん、やっぱいいと思うよこの子。サスケの周りって昔から可愛い女の子ばっか集まるよな」
「周りに興味はない。興味が湧くのは憂輝だけだ」
「ほんとにもったいねーわ、俺代わってほしい」
「そんなことしなくても女の子寄ってきそうなのにね」
「いや、アブノーマルはいらねェんだ、清楚でノーマルな女の子がいい。思考回路が正常な子が周りにいてほしい」
「目が死んでるから帰ってきて!?」
「本当はあともう一人、重吾って奴がいるんだが、今は理由があって別行動している」
「まァまた今度紹介してもらおっかな」
「……そういえば憂輝、里抜けして暁に入ったのか?」
「おう、俺の新しい就職先」
「なんで俺の所に来なかったんだ」
「ん?」
「里抜けする前から話してただろ、里抜けして俺の所に来いと。連絡もこないから岩隠れまでいざ出向いてみればもぬけの殻で、思わず追ってきた岩隠れの忍をクナイでめった刺しにした」
「だから外れの屋敷に行ったの?あの後のサスケ、めちゃくちゃ機嫌悪くて4日は近寄れなかったんだけど」
「そりゃ無駄足さしちまったな。元同僚たち、俺のために散ってくれてありがと」
「なんも罪悪感感じてねー!!?」
「それも、イタチのいる暁だと?憂輝、お前は俺をこんなにも焦らせて楽しいか?」
「イタチの件に関してはほんとに偶然だっつーの!あとその思考回路どうにかしような」
「てゆーか、そんなに誘われても入らなかったのに、なんで暁なんて入ったの?」
「え、可愛い幼なじみに口説かれたから。……ちょ、冗談、冗談だって!!瞳がグルグルしてるから、サスケ!!?」
膝の上から上目遣いで見上げてくるサスケ
普段なら可愛いの連呼だけど、瞳がグルグルしていらっしゃるからまったくもって可愛くねェ
むしろ恐怖しか感じねェ
こんなところで写輪眼の無駄使いすんな
ここで適当に、拉致されたなんて言ったら、即効で暁潰しに行きそうだから絶対言わねェ
適当に嘘つかなかった俺を褒めてほしい
なんなら長期の休暇をくれたっていいくらい褒めてくれていいと思う
水月なんて、驚き通り越して爆笑に入ってるからアイツにこそ写輪眼発動させるべきだ
香鱗に関しては、腕組んでそっぽ向きつつ、顔を赤くしながらチラ見してくるから、絶対勘違いしてる
「香鱗、お前の想い人は危ない趣味持ってるやつでもねェし、かといって俺はお前の恋のライバルになるつもりもねェから安心してくれよ」
「!いいいいいいきなりなんだ!?うっうちに想い人なんているわけねーだろ!!!?」
「お前ら絶対勘違いしてるだろーけど、俺生物学的にいえば、一応女なんだよな」
「は?そんな冗談おもしろくないよ」
「なんだ水月、お前は俺がそんな性癖だと思ってたのか?」
「!いや、ほら、そういうことじゃなくて、あれは見えちゃうって!!」
「…女!!!!?!?」
「一瞬意識飛ぶほど驚いたのかよ。そんなに信じられねェなら今ここで脱いでやろうか?」
「えらく積極的じゃねえか、憂輝。だがどうせなら二人きりでもう少し森にはいらないか?憂輝がここでいいなら俺は構わねえが」
「お前は一体なんの話をしてんだよ、サスケ。その怪しい手の動きやめろ」
「あの香鱗までゴミを見るみたいな目で見てるよ」
「別にさ、サスケ、」
目の前で挙動不審なサスケに、掴みあげるフェイクを入れながら足払いをかます
咄嗟に俺を掴もうとした両手を片手でまとめて、この俺に蹴りを入れようとした脚を避けながら空いた片手で胸を押さえて地面に押し付けた
ここは砂利ばっかだし痛くはねェだろ
傍から見たら俺がサスケを押し倒してる感じ
まあ実際そうなんだけどよ
キョトンとした顔で俺を見上げるサスケ
あー、可愛い
「俺、お前とスんのに抵抗ねェよ?……けどさ、そういうこと言うのは俺を押し倒せるようになってから、な?」
ここで思いっきり鼻血を吹き出したサスケ
もうコイツどうしよう
カラスの家族
(僕、ついていく相手間違えたかな)