ただ手を伸ばす

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「あれ、どこか行くんですか?」

「近くで1回戦の相手が練習試合するらしいのよ!」





部活に行く途中、リコ先輩と逢った

カバンも持ってたしどこへ行くのかと思って声を掛けたら偵察に行くらしい

どこからそんな情報入ってくるんだろう





「たしか今日でしたね、予選トーナメント発表!」

「えぇ。去年も一応見てるんだけど見に行って損はないでしょ?」

「そうですね!ちなみに1回戦はどこなんですか?」

「新協学園って学校よ」

「…たしかその学校、」

「え?」

「!いや、気のせいかもしれませんし、」

「言ってみて?」

「…その学校、外国からの留学生を受け入れてる筈です。誠凜に決める前にそこのパンフレット見ましたから」

「もしそれがバスケ部に入部してたら。…考えたくないわね」

「さすがに大我でもキツいかもしれません」

「まぁ、とりあえず行ってくるわ!」

「いってらっしゃいです」





校門に少し険しい顔をしながら向かった先輩を見送ってから私も体育館に向かう


…間違ってたら恥ずかしいよな、これ


あってて欲しくはないけどあっててほしい

それか背がちっちゃい人がいいな





「…また怒られちゃうから早くいこう」




今さらだけどテツとか置いてきちゃった





















「なに勝手に行ってんだよ!!?」

「いだっ!!!」

「暴力は最低です、火神くん」

「そういうお前も俺を蹴んな!!」





部活に行ったら順平先輩じゃなくて大我に殴られました


大我曰く、また私が迷ったとおもってたらしい

反論しようとしたけど一昨日理科室に行く途中迷ったのを思い出してやめた


私を殴った大我を蹴るテツ

我ながらすごい絵になってると思う





「おら、暴れんなー」

「あ、すみません」

「そういえばカントクはどこすか?」

「あぁ、すぐ近くで1回戦の相手が練習試合してるらしくて偵察行ってるよ」

「へー…。ちなみにどこなんですか、1回戦の相手?」

「ちょっと待てよ、今全員分コピーしてもらってるから」


「キャプテンー!予選トーナメント表コピーしてきました!」

「お、きたきた。サンキュー、みんなに回してくれ」





コピーしてきてくれた寛くんにトーナメント表をもらって見てみる

真くんたちがいる秀徳には決勝戦にいかないと当たらない

ほかにも強豪校って呼ばれてる高校がたくさんある

1回戦であたる新協だって、決して弱い学校じゃない





「300校以上の出場校から選ばれるのはたった3校。1%の選ばれた高校生しか立てない夢の舞台、それがインターハイ」

「……なんとなくは分かったけど一つ間違ってるッスよ。選ばれるんじゃなくて、勝ち取るんだろ………です」


「最後のさえなかったらカッコいいのにね」

「同感です。…けど、」

「けど?」

「なんだか火神くんらしいです」

「たしかにね!」








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