ただ手を伸ばす

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『あ、楓か…?明後日の土曜日によ、学校でインターハイ予選前の調整がてら練習試合するんだけどさ、見に来ねェ?』





そう孝輔から電話があったのは海常と試合した昨日の夜

ちょうど三連休なんだけど、その日は部活があるからまた後で連絡しますと伝えていつのまにか次の日の午後練

行きたいんだけど部活だしなぁ…





「どうしたの、悩みごと?」

「!あ、いや、悩みごとっていいますかなんと言いますか……」

「水臭いわね!ほら言っちゃいなさい!!」





部活でシュート練習してる皆を見てるとリコ先輩が話しかけてきてくれた

そんなに私変な顔してたのかな?

笑う先輩になんだか胸があったかくなって、明日のことを話すと急に目を輝かせる

え、なんで?





「その若松くんって桐皇なのよね…?!」

「はいそうですよ」

「偵察がてら行ってきなさい!!楓が部活にいないと思うと寂しいわ……」

「ちょ、泣き真似してるのになんで目を輝かせてるんですか。泣きますよ?」

「いや寂しいのは本心だから!」


「行かせません」


「あ、テツ」「!うわっ」





いつのまにか私とリコ先輩の目の前に立ってたテツ

今のは私も気付かなかったな

リコ先輩は驚きすぎて座ってたベンチから落ちそうになってた





「れ、練習は?くっ黒子くん…?」

「シュート練習が終わったので3分のインターバル中です。楓、部活は基本休んではいけません」

「楓が行くんなら俺も行く」

「いや、それより何で話知ってるの?」

「練習してたら聞こえてきました」

「スゴい耳してるね!!」

「明らか聞きみ むがっ!!」

「今は黙っててくれ、カントク」

「……はっ!!おかんの悪寒!!キタコレ!!!」

「お前も黙れ。あとなんで今それが出てきたんだ」

「…でもやっぱり休んじゃ駄目だよね、部活」

「別に良くねー?遊びにいくわけでもないしさ」

「!!ばか!!今そんなん言ったら…!!!」

「先輩?」「今何か言いました?」

「ひいぃぃっ!!」





小金井先輩のフォローに、テツと大我がそちらに視線を向ける

それを見た小金井先輩は顔を真っ青にして水戸部先輩の後ろに逃げた

こっちから2人の顔が見えないけど一体どんな顔してるんだ





「ここじゃやっぱり日向くんはおと もがぁっ!」

「ホント黙っててくれ」

「でも俺もあんまり賛成じゃないな。男バスってことは女子いるか分かんないし…」

「?それでなんでですか?」

「おまけにこれだからな」

「ちょ、なんで皆頷いてるんですか!!」

「…とりあえず行くな、楓」

「でも他校の情報は大切だと思うぞ!うちは新設だからあんまり情報もないわけだし」

「土田先輩……」
「いやそれはそうだけど…、です」

「俺ん時と扱い違うくね?!」

「…でも楓、さっきの話で学校名だけ聞こえなかったんですけど一体ど「3分インターバル終了!次の練習移んぞ!」…いってきます」

「俺は認めねーからな!!!!!」





キャプテンと水戸部先輩に引きずられていくテツと大我


結局どうしようかな

ふと隣を見れば笑顔で親指を立てながらこっちを見てるリコ先輩

あ、もう決まってるみたいだ









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