ただ手を伸ばす

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「あ、ここっス」

「……って、え?……片面…でやるの…?」





体育館に入ると、広い体育館は半分に分けられてた

その半面で練習は続けられてた


あっちの監督さんがとりあえずムカついた

うちを見下すことばっかり言って、久しぶりにイライラ

調整?相手にならない?

試合見てから言えよ

先輩とか皆の顔が怖い(特にリコ先輩と大我)

テツが中指立ててるのなんて気のせいだ


涼くんは出ないらしい





「オイ、誠凛の皆さんを更衣室にご案内しろ!」

「ひ久しぶり、楓…。悪ぃ、うっうちの監督が、」

「お久しぶりです、幸男先輩!…でも安心してください!」

「は?」

「…アップはしといてください、出番待つとかないんで…」
「あの、スイマセン、調整とかそーゆーのはちょっと無理かと…」



「「「そんなヨユーはすぐなくなると思いますよ」」」



「え、は?」

「楽しみにしといてください!先輩が驚くことは絶対ですから」

「一体、何に驚くんだ、俺……?」

「それはお楽しみです」

「楓ちゃん久しぶりー!」

「あ、久しぶりです、由孝先輩」

「勝ったら楓ちゃん、海常来るんでしょ?頑張らないとね!」

「?私が来ても意味なんてないでしょう?」


「おら楓、帰ってこい」

「キャプテン!」





私が由孝先輩と幸男先輩と話してると、急にキャプテンに腕を引かれた

…キャプテンで2人が見えない





「…誠凛主将の日向順平です。なんかうちのマネがお世話かけました、"先輩"?」

「……海常高校バスケ部キャプテンの笠松幸男ス。いやなんにもねーよ、ただ、っ仲良くしてもらってるだけだけどなんか問題でもあったか?」

「いやなんでもないですよ?ただ練習試合前にこんなに敵チームのマネージャーと"仲良く"するなんてさすが余裕だな、って感心してただけですよ、先輩」

「ちょ、若干クラッチ入ってるぞ!?まだ入っちゃダメだからな?早いからな!?」

「笠松も、分かるけどちょっと抑えて!?」





……正直どんな顔してるか分かんない

声的には止めてるのが伊月先輩と由孝先輩

1つ分かるのはさっきとは違ってリコ先輩が屈託のない笑顔でそれを見てる

私が見ようとすると大我が目を抑えてきて全く見させてくれない

イジメ?


そんな感じで更衣室

私とリコ先輩と幸男先輩と由孝先輩は外で待ってる

大我とか先輩たちが入ってから10秒くらい沈黙があって、幸男先輩が口を開こうとした瞬間、勢いよく扉が開いた

そっちを向くとユニフォーム姿の皆が平然と立ってた

え、早くない?





「よっしゃ試合だ!」

「行くぞー、初試合!!」

「いまたしか10秒くらいででてきたよね?!早すぎじゃない?!」

「いえ全く」

「え、おかしいのって私なの?!」





またリコ先輩が爆笑してました

え、分かんない





























皆には分かる

(ホンット分かりやすいわね!)
(うっうるせー…です!!)






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