ただ手を伸ばす

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「ふぅ………、」





その日の夜

私はベランダで大好きなココアを飲みながら空を見てた

あったかいココアは、ほんのり寒い今にちょうどいいと思う

100均で買ってきたイスに座りながら見る空は曇ってた





「……砂糖、少なかったかな」





今日は涼くんに逢って、いろんなことがあった

なんだか頭がごちゃごちゃしてる

一緒に持ってきた、ケーキはあんまり好きな味じゃなかった




 PiPiPiPiPi





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From;大我

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「たいが………、…もしもし、」

『あ、楓?今電話いけるか?』

「うん、大丈夫だよ。いきなりどうしたの?」

『いや………、急に声聞きたくなった』

「またそんな冗談言わなくていいよ」

『…冗談じゃねーに決まってンだろ』

「へ?」

『何でもねーよ、バーカ』

「!バカじゃ………、ないかもしれないじゃないか」

『そこは無理にでも否定しろよ』





電話越しに、やかんが湯気で音を鳴らしてるのが聞こえる

コーヒーでも呑むのかな?





『…なー、』

「なぁに?」

『楓は"キセキの世代"の奴らとどうなりたいんだ?』

「ぇ、」

『仲良くなりたいのか?それとも離れたいのか?』

「………」

『黒子とは今仲良くやってる、黄瀬とも険悪な雰囲気じゃなかった。……今日の黄瀬見ても、俺たち見てても分かっただろ?楓は必要とされてる、つーか楓がいねーと生きてけねーんだよ』

「…大我、聞いてくれる?」

『おー、いくらでも聞いてやる』

「…正直私でも分かんないんだ。私が勝手に拗ねて、迷惑かけて、怒って、何も言わずにどっかに行っちゃって…。今更どんな顔したらいいのかとか、何て言えばいいのか分かんないよ。スゴく大好きで、大好きだったのに分かんないよッ………!」

『姉ちゃんには誠凛通ってんの言ったのか?』

「……言ってない」

『じゃあ連絡は取ってんのかよ?』

「…してない」

『姉ちゃんには何で連絡しねーの?』

「今でも大好きだけど、連絡したら私の中のなんかが爆発しちゃいそうなんだ。あと、あの比べられる目を向けられるのはもうたくさん」

『…俺はさ、楓の姉ちゃんを写真でしか見たことねーけど、楓の方が可愛いと思うぜ?』

「熱でもある?今から行こうか?」

『なんでだよ!!!』

「ちょ、耳痛い…!」

『あ、悪ぃ……じゃねー!!お前のその思考どうにかしやがれ!!!』

「え、普通だよ!」

『言っちゃ悪いが、絶対お前のその性格が原因だ』

「そ…そんなこと知ってる、よ……」

『(言い方間違えたー!!!)』

「はっきり言われなくても分かってるし…………!」




 ガラガラッ




「そういう意味じゃねーんだよ!!」


「え、?!」





いきなり隣の区切りの向こうから、窓を開ける音がしたと思ったら、さっきよりクリアな声が聞こえた

ご近所迷惑だろ





「大我……?!」

「うおっ、結構寒ぃな……!!」

「なら中入りなよ!」

「楓が入るならな」

「なにそれ」





いつもより大きな声で話す

明日ご近所さんに謝らないといけないな





「話戻すけどさ、俺は楓がネガティブだからって意味だよ」

「私、ネガティブかな……?」

「おー。だいぶネガティブ。それ直せ、って意味だから」

「うーん……、頑張ってみる」

「直せ直せ」

「大我、」

「あ?なんだ?」

「どうなっても傍にいてくれる?」

「……あぁ、当たり前だろ。楓がしたいようにすればいいじゃねーか」





区切りに、なにかぶつかる音がした

大我が区切りを背もたれにするみたいにして座ってる姿が目に浮かぶ

私も立ち上がって、向こう側に大我がいるであろう区切りに頭を預けるように座った

金属だから冷たい筈なのに、なんだかあったかい気がする





「……ホントにありがとう」

「気にしたもん負けだっつーの」




























星がでてきた

(……絶対、涼くんたちに勝ってよね)
(ったりめーだ!!)







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