ただ手を伸ばす

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あれからとりあえずダッシュで帰った私は、まず大我に思いっきり拳骨された

めちゃくちゃ泣きそうになった、てか泣いた


それから正座させられて、1時間ぐらい説教

主として理由は『遅くなるんだったら連絡しろ』と『女が遅い時間まで何してんだ』だった

……いや大我は私のオカンか

これで割烹着きて、お玉持ってたら…なんて考えてたらまた拳骨された

どうやら私は顔に出やすいらしい


それからなんとか帰してもらってケータイを見ればテツからメールが来てて、明日の時間が書いてた

了解メールを送ってから、大我にも明日は早く行かなきゃいけないこととお弁当は玄関のノブに掛けておくことを書いてメールする

ベッドに倒れ込んだ

それからケータイが鳴った(たぶんこの着信音は大我)けど、たぶん了解メールだし今日はもうそんな元気は無かったから断念

私は瞼を下ろした



















































次の日の朝、メール通り作った弁当を隣の家の玄関のノブに掛けてから学校に向かった

朝だからか、ほんのりまだ肌寒い

まだ約束の時間まで余裕があるから、まだ見てなかった昨日のメールを開く

やっぱり大我からだった




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From;大我
Sub;
本文;

は?俺も行くから何時?



  

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「……また怒られるな」


「楓!」

「あ、テツ!おはよー!」

「おはようございます」





正門が見えてきて、私は軽くため息をつきながらケータイを閉じた

そうすればグランドからテツの声が聞こえてそちらを見る


…普通に挨拶したけどさ、何やってんの?

テツは木の枝で線を引きながら私に手招きする





「ごめん、遅れたかな?……それより何してるの?」

「いえ僕も来たばかりなので気にしなくていいです。今の行動についての理由は後で分かります、楓はあっちに置いてる体育でライン引くときに使う石灰で僕が書いた線をなぞっていってください」

「分かった!」





テツはなに考えてるかたまに全く分かんない

でも意味があるのは分かるからテツの言う通りにする





「でもさー、こんなことして怒られないの?」

「………きっと大丈夫です」

「考えてなかったんだね」

「違います」

「はーいはい」

「……なんか火神くんに似てきました」

「え、それ傷つく」

「それを聞いた火神くんの方が傷つくと思います。…そういえば火神くんは一緒じゃなかったんですね、無理矢理にでもついてくるかと思ってました」

「……それは今言わないで」

「?分かりました。……あ、火神くんで思い出したんですけど昨日僕"やりたいこと"を火神くんに話しました」

「やりたいこと?」

「はい、僕は火神くんとこのチームを日本一をしたいで「テツ!!」え?」

「?なんでしょう?」

「"したい"じゃなくて"する"、でしょ!!?」

「!……やっぱり似てます」

「大我と?」

「もちろんです。……さ、終わったんで校舎に入りましょうか」

「?うん」

「…でも火神くんが羨ましいです」

「え?」

「いえ何でもないです」



































共犯者

(こういうことかぁ。…あ、なら名前書き忘れたんじゃ、)
(………忘れてました)






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