ただ手を伸ばす

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これまた次の日

私は近くのショッピングモールみたいな所にいた


大我は最近いろいろあったから疲れてるのか、家で寝てる

ちなみにここまで自分で来れたのは奇跡だと思う

っていうかケータイの音声ガイドなかったら絶対迷ってた


ここに来たのは生活用品を揃えるため

最初日本に帰ってきた時シャンプーとかそういう系を買うの忘れてたんだよね

旅行用の残しといてホントに良かった

すぐに用事も終わったし、またバスケに関わることになったんだからスポーツ用品店でも見に行こっかな





「なぁ、ちょっと俺たちと遊ぼうぜ」

「いいだろ?」





…とりあえず、すぐ帰らなかったあの時の自分を殴りたい

私は世に言うヤンキーって奴に今絡まれてる

スポーツ用品店の目の前

入ろうとした瞬間捕まった

私に絡むなんて、眼科オススメします、切実に


相手は4人

正直、倒せるか微妙なライン


さてどうしようかな





 ガゴッ




「がっ…!!」

「隆くん!?」





いきなり1人吹っ飛んだ

たぶんこの4人のリーダーだと思われる人

吹っ飛んだ方向と逆を見れば、そこにはクリーム色の髪の男子

絶対熱血か俺様のどっちかだ





「テメェ等!!!4対1で恥ずかしくねェのか!!!?気になるんだったら1人ずついけよ!!」

「え、理由そこ?」

「なんだテメェ!!」

「ナメてんのか?!」

「あ"ぁ?!文句あんならかかってこい!!!」

「!おっ、覚えてろよ…!!」

「覚えてるかよ!」





クリームさんが睨みつければ簡単に逃げていった4人

アイツらより絶対この人の方がヤンキー向いてると思う





「大丈夫か?」

「!あ、ありがとうございます!」

「いやいいって!ここの店に用でもあんの?」

「はい!マネージャーをすることになったんでテーピングとか買い揃えておこうと、」

「なんのマネージャー?」

「バスケです!」

「俺もバスケやってんだぜ!俺は桐皇学園高校の2年、若松孝輔!」

「私は誠凛1年の桃井楓です!」

「よろしくな、桃井!」

「はい!」





それからお店の中を一緒に見て回った

ここの品揃えは豊富だから毎回ここまで来てるらしい

やっぱり先輩は熱血だった

でもとってもいい先輩

こんな短時間で分かるくらい

テーピングでもいっぱいあるから迷ってると、オススメを教えてくれたりした

…やばい、ガチで後光が見える





「へぇ、最近越してきたのか」

「はい!それに加えて本気の方向音痴なのでよく迷うんです」

「いや、俺も方向音痴な方だぜ?」

「私は5分もかからない学校から家までの道のりを迷いました」

「さすがにそれはねェや!!」

「ちょっと傷つきます!」





なんか俺様っぽくて優しいところも、全部全部無意識に比べちゃう

早くこの癖を直さなきゃいけないな





「ぁ、私の買い物ばっかり付き合っていただいたんですから先輩の買い物にも付き合います」

「別にいいぜ?俺が勝手について行ったんだし、」





やっぱり笑顔でそう言う先輩は被る





「なら私も勝手についていきます!」

「は?」

「私が"勝手に"ついて行くんです!!」

「……迷子になるんじゃねェぞ」

「じゃあ先輩の腕でも掴んどきます」

「!うおっ」





私が先輩の腕に抱きつくみたいな感じで掴むと、先輩は驚いたような顔してからすぐに背けられた

え、ごめんなさい





「…あ"ー!!!これでいいだろ!!?おら行くぞ!!」

「え、あ、はい!」





急にこっちに振り返ったと思ったら、顔を真っ赤にしながら私の手を握った

それからバッシュのコーナーに大股で歩いていく

嫌、だから顔を背けられたんじゃないんだよね……?





「な、なに笑ってんだ……!!」

「えへへ、なんでもありませんよ!」







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