ただ手を伸ばす

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「……こんなに食べたら、そら夜ご飯食べれないよね」

「え、あ、いや!!!」





あれから、とりあえず今日は帰ることになって帰る前に自己紹介してもらったり、少し話したりした

やっぱり皆いい人で間違いなかった

帰りにマジバに寄れば、山ほどのチーズバーガーをトレーに乗せて持ってきた大我

それを見て、なんか納得

私が作らないとインスタントで済ませるから、アメリカの頃から大我がお腹空いたら私が作ってた

それは帰ってきても一緒

だから昨日夜ご飯あんまり食べれなかったんだね





「ならもう夜ご飯はいらないかな?」

「いや違ぇよ!!?楓の飯は別腹だぜ?!」

「昨日あんまり食べなかったじゃん」

「いや、あれはだな……!」

「せっかく今日は大我の好きなチーズハンバーグとパスタにしようとしてたのに、大我はお腹いっぱいだもんね…」

「ちょっ、待て楓!!!!!」

「あ、そこは、」


「楓さんの手料理ですか、羨ましいです」


「………うおっっ!!!!」

「さっきぶりです」

「久しぶり、なのかな?だから言おうとしたのに…」

「気付いた楓さんがスゴいんですよ」

「うーん、そうなのかなぁ」





大我が席に座った瞬間叫ぶ

だって前の席にはテツくんがいたんだから

私も大我の隣に座った


ホントに気付いてなかったのかな?

ずっとテツくんの方は私たちを見てた、っていうかジュースを啜りながらガン見してた

なんで皆気付かないんだろう……?





「何でまたいんだよ……」

「僕が座ってる所に君が来るんです」

「何飲んでるの?」

「バニラシェイクです。好きなんです、ここの。ちなみに楓さんは?」

「私はストロベリーシェイクだよ」

「何だかイメージ通りです」

「えー」

「勝手に話進めるんじゃねー!!どっか違う席行けよ」

「いやです」

「仲いいと思われんだろうが…」

「だって先に座ってたの僕ですもん。てか絶対その理由じゃないですよね」

「……」





あ、血管浮き出てる

てかめっちゃビクビクしてる

それから溜め息をついて、テツくんにチーズバーガーに1つ投げた





「…ホラよ」

「?」

「一個やる。バスケ弱い奴に興味はねーがオマエのことそれ一個分位は認めてやる」

「……どうも」

「…大我のケチ」

「はぁ?!」

「そんなにあるのに一個だけって…」

「いやそれは違ぇだろ!!?」

「それにテツくんは半分くらいあげてもいいくらいだもん!」

「そうですよ火神くん」

「自分で言うな!!」





それから大我が食べ終わるのを待ってマジバを出た

でもあの山を一瞬で食べるって、ホントその身体どうなってんの?





「……"キセキの世代"ってのはどんぐらい強いんだよ?」

「?」

「具体的に言いなよ…」

「じゃあ俺が今やったらどうなる?」

「「瞬殺されます/されるね」」

「もっと違う言い方はねーのかよ…。てか2人してハモんな、地味に傷付く」

「ただでさえ天才の5人が今年それぞれ違う強豪校に進学しました、まず間違いなくその中のどこかが頂点に立ちます」

「…ハッハハハ!!いいね、火ィつくぜそーゆーの!……決めた!そいつら全員ぶっ倒して日本一になってやる!!!」

「……無理だと思います」

「ぅおいっ!!!!!」

「潜在能力だけなら分かりません、でも今の完成度では彼ら足元にも及ばない。1人では無理です。…僕も決めました
僕は脇役(影)だ。…でも影は光が強いほど濃くなり光の白さを際立たせる。主役(光)の影として僕も主役(君)を日本一にする」

「…ハッ、言うね!勝手にしろよ!」

「頑張ります」





似てると思った

バスケが好きな所とか、言い出したら止まらない所とか

まだ残ってる、のかな





「オラ帰んぞ楓」

「あ、うん!」


「……楓さん、」


「え?」

「何で急にいなくなったのかは楓さんが言いたくなるまで聞きません。けどこれだけは言わせてくださいね、…僕を頼ってください、お願いです」

「テ、ツくん……」

「…あとやっぱり楓さんは黒髪も似合ってましたけど、ピンクの方が似合ってます。てか火神くんだけ呼び捨てズルいです、僕も呼び捨てがいいです」

「テツ?」

「はい。じゃあまた明日、"楓"」

「!あ、また明日…!」




















思わず振り向く

(アイツ……)
((なんか超殺気を感じる!!!))





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