愛,哀,あい
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ピヨッ ピヨピヨピヨ
「………また地獄が始まるんだ」
着慣れた制服に腕を通し、部屋にある全身が軽々映る鏡の前に立つ
鳥の声さえ雑音に聞こえる私は相当だ
気まぐれで長袖の少し袖を捲れば、そこには青紫に変色している私の肌
そこだけ見れば私の元々の肌の色なんて分かりっこない
お母さん譲りで肌の白い私に"それ"はよく目立つ
たしかこれは昨日付けられ奴だったかな?
またアイツらと逢わなくちゃいけない
今日は一体何をされるんだろう
休みたいけど休めない
休んだりなんかしたらもっと酷い目に遭わされるだろうから
嗚呼、朝なんて来なければいいのに
『想香〜、そろそろ行かないと遅刻しちゃうわよ!』
「……うん、分かってるよ母さん」
鏡の向こうの私が笑った気がした