ヘビのお嫁さま
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マルフォイSIDE
「この列車にあのハリー・ポッターが?」
「そうらしいのよ!その話で持ちきりよ!」
横でキーキー煩いパーキンソンの話に仕方なく耳を傾けていれば、気になった単語
あのハリー・ポッターが?
「……列車の旅も飽きてきたしちょっと見てくるか。クラッブ、ゴイル、行くぞ」
お菓子を食べてるクラッブとゴイルに声をかければ、慌てたようについてきた
なんだかパーキンソンが後ろで煩いけどまあいいか
揺れる列車を歩いていけば、そうと思われるコンパートメントを見つけた
扉を開けるとそこには赤毛と眼鏡をかけた黒髪、あと奥にフードをかぶって壁にもたれてる女?がいた
こっちを不思議そうな顔で見てる
…うん?たしかそこの黒髪はダイアゴン横丁のマダム・マルキン洋装店にいた………
じゃあまさか、
「このコンパートメントにハリー・ポッターがいるってホントかい?それじゃあ君が?」
「そうだよ」
「こいつはクラッブでこっちがゴイルさ。そして僕がマルフォイだ、ドラコ・マルフォイ」
僕が名前を言えば、赤毛が笑いを誤魔化すように咳払いした
…礼儀知らずが
「僕の名前が変だとでも言うのかい?君が誰だか聞く必要もないね。父上が言ってたよ、ウィーズリー家は皆赤毛で、そばかすで、育てきれないほどたくさん子供がいるってね」
最後に鼻で笑ってやれば、ウィーズリーは顔を俯かせた
それから今度はポッターに向き合う
「ポッター君、そのうち家柄のいい魔法族とそうでないのが分かってくるよ。間違ったのとは付き合わないことだね」
「間違ったのかどうかを見分けるのは自分でもできると思うよ、どうぞご親切さま」
僕が手を差し出したが、ただ冷たく返しただけだった
なんだ、僕がせっかく相手をしてやっているのに
やっぱりバカだ
「…もう少し礼儀を心得ないと君の両親と同じ道をたどることになるぞ。君の両親も何が自分の身のためになるかを知らなかったようだ。ウィーズリー家やハグリッドみたいな下等な連中と一緒にいると君も同類になるだろうよ」
「じゃあその"下等な連中"に私も入るんだよね?」
「!!」
忘れる筈がない声
奥に座ってた人影が立ち上がった
そしてダルそうにフードを取れば、チベッサだった
その眼は明らかに怒ってる
でもその瞳に僕を映してくれてはいなかった
「私はウィーズリーの皆が大好きだしハグリッドも好き」
「いやチベッサは……!!」
「私、アナタがそんな人だなんて知らなかった。何も知らなかったのね、私」
「話を聞いてくれ!!!」
「ロン、ハリー、私ローブに着替えてくる。ハリーたちもそろそろ着替えた方がいいよ」
「チベッサ!!!!!!」
「………失望したよ、"マルフォイくん"。まぁ期待した私がバカだったんだね」
「!」
通り過ぎざま呟かれたその言葉は、僕を簡単に貫いた
(なんだか別人みたいだったな、マルフォイの奴)
(うん)
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