BOOK 薄桜鬼/K

□永遠に
1ページ/1ページ


4月12日

この日は私にとって大事な日。

―今日で16歳になる―

16歳

女子は結婚ができる年齢

「時雨」

『あっ 斎藤さん』

「時雨・・・その斎藤さんというのはなんと かならないのか?」

『あっ・・・すみません・・・は・・・一さ ん・・・』

つい昔の癖で【斎藤さん】と呼んでしまう

もう剣の時代は終わった。

会津に残った一さんは、最後まで会津藩に微 衷を尽くし 誠の旗を掲げて戦った。

剣に生き、剣に死す

これが一さんの人生だったはず・・・―――

「時雨」

『何ですか?一さん・・・?』

「俺はあの時桜の下でお前に‘‘時代の移り 変わりとともに変わるものもあれば、変わら ないものもある。 そして俺は…その変わらないものこそ、信じ ている。’’と言った。 その気持ちは今でも変わらぬ。 この気持ち・・・お前を愛する気持ちだけは 変わらぬ。 だから俺と結婚してくれ・・・」

滅多に愛の言葉を口にしない無口な一さん だから嬉しかった。

―藤時雨は今日から斎藤時雨になりました 。










 
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ