BOOK 黒子のバスケ/ハイキュー!!
□朝の魔法
1ページ/1ページ
「ふぁぁ…」
眠い目を擦りながらいつものように歩いて学校へと向かう
最近はアラームで起きれるようにもなって遅刻もなく登校している
少し前ならば、全くと言っていいほどアラームはアラームの役割を果たしてなかった
「お、なつきじゃねーか。最近、学校遅刻しなくなったよな。遅刻魔だったのに」
すると後ろから同じクラスで隣の席…そのうえ、わたしの片想いの相手である黒尾から話しかけられた
「え、あ…黒尾じゃん。おはよう。今日は朝練ないの?」
「ある。けど俺はちょっと用事あっから今日は休んだんだよ」
「ふーん…」なんて会話をしながら黒尾と一緒に登校してると、いきなりバイブ音とともに大きな音で音楽が流れだした
「あ、ごめん。わたしだわ。」
切ったと思ってたアラームがスヌーズだったらしく、焦りながらポケットからスマホを取り出し、音を消そうと画面に触れようとした瞬間
「あ、これ俺の好きな曲じゃん。なつきも好きなのか?」
そう言って黒尾は携帯を覗き込んだ
「ちょっ…あ、だめ!!」
そう言って画面を隠すも遅かったらしく、黒尾は「ん!?」と驚いた顔をしてわたしに尋ねた
「今、画面に"着信 黒尾鉄朗"ってあったよな?俺?」
……見られた。
わたしは、ついこの間からアラームの名前を変更するというwitterで見かけたことをやってたのだ
最初、面白そうだなって思ってやってみたら意外に朝起きれちゃって…
ただ、こんなこと説明したくないし…というか絶対引かれるじゃん
今も引かれてるかもしれないけどさ
何も言おうとしないわたしに黒尾は聞き出そうと色々質問してきた
「なぁ、さっきの黒尾鉄朗って俺だよな?つーか今のって電話じゃねーよな?何?アラームとかか?」
しかも、黒尾はどんどんと言い当ててくる
そうなると言い逃れは厳しい
「で、電話だよ!!わたしの知り合いにもう一人黒尾って子が居てその子から…」
一生懸命誤魔化そうとするけれど、やっぱりそれは無駄で…
「…え?お前さ、ウソつくならもっとうまくつけよ」と笑いながら言われた
そして次の瞬間にはいつもの何か企んでいるような笑みに変わり、とんでもないことを言いだした
「モニコでもしてほしいんだろ?してやるよ。」
からかうような笑みで言うからわたしは本気なのか冗談なのかも分からないでいた
「じょ、冗談でしょ。それに、わたしは別にそんなこと望んでないし。」
咄嗟に反論したけれど、そんなことはお構いなしに黒尾はわたしがまだ手に持っていたスマホを奪って勝手に弄り出した
「ほい。お前の番号もらったわ。あと、俺の電話番号入れといたから。明日の朝、無視とかやめろよ?」
そう言って、ニヤりと口角を上げると先に校舎の方へと歩いて行った。
「え、ちょ…は?黒尾!!」
それをわたしは慌てて追いかける
「あ、あと、パスワード変えろよ。1117とか簡単すぎ。」
「――っ!!」