BOOK 黒子のバスケ/ハイキュー!!

□腐女子でごめんなさい
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最近の日課は腐女子である友達数名とバレー部の練習を覗くこと


だって、バレー部にはわたしの彼氏である鉄朗と今一番注目CPの夜久と灰羽くんがいるから

今も夜久と灰羽くんは2人でレシーブ練習してるし!!
わたしたちは2人の練習を見ながら妄想に浸り、キャーキャー騒いでいた



「ねぇ…クロ、ちょっと」


すると、反対側の方から研磨くんの声がしたと思ったら鉄朗と2人で体育館の端へ移って何やら相談し始めた

もちろん、それを見た友達は盛り上がった


「何話してんのかな?」

「やっぱりさ、幼馴染っていいよね」

「黒尾の甘やかし具合とかね!!」



……ものすごくわたしは複雑な気分
だって、鉄朗はわたしの彼氏だし。





どんなにわたしがBLが好きな腐女子でも、鉄朗が対象になることがとても許せない

けれど、そんなことを知らない友達の一人がどこから仕入れたのか鉄朗が烏野?ってとこのMBに熱を上げてるとか言いだした

「なんか眼鏡で身長高い1年なんだけど、合宿中、黒尾がすっごい熱心に指導してたんだって」

「敵になるかもしれないのに!?」

「ちょっとその子がツンデレとかだったらあり得そう」

「あー、黒尾ってそういう子弄るの好きそうだよね」



もうやめてほしい…
しかし、そんな思いは通じることなくどんどんと話が盛り上がって行く


結果、夜久とか山本くんとか福永くんとか…
要はみんなに合宿のことを聞きまくって、その子が月島蛍って名前で、鉄朗たちに気に入られててよく自主練を一緒にし、仲が良かったということを知った


わたしが彼女なんだし、別に妬いてるわけじゃない
鉄朗の練習相手にはわたしはなれないし…
ただ、みんなが鉄朗の相手がその月島くんで盛り上がってるのに納得が行かないだけ……





部活が終わると、わたしは鉄朗が着替えて出てくるのをドアの前で待っていた

次々とみんなが帰って行く中、ようやく最後に鉄朗が出てきた


「待たせた…って、どうした?なつきって眼鏡だったか?つーか、その台から降りろよ。帰ろうぜ?」

そう言って、鉄朗は今だけ少し上にいるわたしを見上げてから右手を差し出した

友達たちが話してた内容に思ったよりも焦ってたのかわたしは鉄朗が部室から出てくるのをちょっとした踏み台に乗り、眼鏡をかけて待つという暴挙に出た。


「……そうだね」

「…?どうした、元気ねぇな」


さすがにバカなことをしたと思いながら伊達眼鏡を外しながら差し出された手を取った


「月島くんの真似しようと思って」


そう言うと、部活中のことを知らない鉄朗は「え?なんでツッキー?」なんて驚いたようにわたしを見た



「今日ね、友達が鉄朗は月島くんとお似合いだって……」

それを聞くと鉄朗は納得したような顔をした後、はぁ…と軽く息を漏らした

「なるほどな。でも、それはそいつらが腐女子だからだろ。別に俺はなつきがBL好きでもなんでもいいし想像で盛り上がるのは構わねぇよ。」

鉄朗はそこで言葉を切り、少し前に歩くとまたすぐに「ただ…」と続けた


「現実では俺はなつきが好きだって知ってんだろ?」


鉄朗がいつもみたいに口元に笑いを浮かべ、少し振り向きながら真剣な声で言うから、わたしの心臓がドキッとなったのが分かった



「それでも不安なら安心させてやるから俺の家来いよ」

さっきの言葉でわたしの顔が赤くなったのをもっと楽しむかのように企んだような顔をしながら鉄朗は言った


「−っ!!」

その言葉を聞いてわたしの顔は赤みを増し、鉄朗の笑みはもっと深くなった
鉄朗は顔を赤くして棒立ちしてるわたしの腕を強引に掴むと、楽しそうに歩き出した








「俺が誰のことを一番好きか分からせてやっから」

「え、あ…で、でももう夜だよ?」

「気にすんな。猫は夜行性だろ」













 

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