BOOK 黒子のバスケ/ハイキュー!!

□おそろい…?
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んー……


見比べ、悩むこと早10分


わたしの目の前にはあるものが二つ。
わたしはそのどちらを買うかにずっと悩んでいる。

全く同じ用途に使うんだからどっちでもいいし、こだわる人はよくいるけれど、特にわたしにこだわりはない。


ただ……悩むんですよ、これが。



蛍くんとおそろいにするか否かで。
もちろん、蛍くんとおそろいにして

「蛍くんとおそろい買ったよー!!」

「あ、そう。」


みたいな会話とか、おそろい使ってるっていう自己満足のためとかで普段なら即決なんだけど…

でも、今回は悩む…
もちろん、それにはちゃんとした理由がある…

しかし、やっぱりおそろいは捨てがたい




それから更に10分経ってからようやく私は片方を手に持ってレジへと向かった。






翌日は昨日新しく買った物をしっかりと鞄に入れて家を出た

「おはよう、蛍くん!!」

「……朝から元気だね」


家の前まで迎えに来てくれた蛍くんに駆け寄ると、蛍くんはまだ眠いのかあくびをして、耳に付けてたヘッドフォンを外した


「あのね、昨日新しいイヤホン買ったんだ」

そう言ってわたしはさっき鞄に入れたばかりのイヤホンを取り出した


「そう言えば前のヤツ壊れたって言ってたね」

「うん。ほんとは蛍くんとおそろいのヘッドフォンがあったからそれにしようかともすごく悩んだんだけど……」

そう言って昨日20分以上お店でヘッドフォンとイヤホンと睨めっこしてたことを話した。


「…なんでおそろいにしなかったの?」

「え?」


意外だった言葉と拗ねたように聞こえた声に思わず聞き返すと「何?」みたいな顔で見られた


「蛍くんっておそろいとか興味なさそうだと思ってたから」

「ないけど?」


……やっぱりですか


「で、なんでおそろいにしなかったの?なつきはそう言うのに興味ありそうじゃん。て、ゆーか、あるよね。」

断言された…。まぁ、確かにおそろいは憧れだけど。
だって、おそろいとかいいじゃん。彼氏と彼女ですって感じで、仲良さそうで
だから、昨日はすごく悩んだんだんだよ


でもさ…

「蛍くんと同じ音楽を聴いてみたかったの」

「は?」

「蛍くんがいつも聴いてる音楽を一緒に聴きたかったの。ヘッドフォンだと片耳ずつとか出来ないでしょ?」


蛍くんがどんな人が好きでどんな曲を聴くのか…
どんなことでも蛍くんと共有したい


そう思ったからヘッドフォンはやめて白いイヤホンを選んだ


「ふーん…。いいんじゃない?」

そう言って蛍くんはわたしの手からイヤホンを取って自分のプレイヤーにつなげた


「これでいいワケ?」

「うん!!」


そう言ってお互いに1コずつ耳にイヤホンを入れて歩き出した














「あ、音質悪かったらヘッドフォンに変えるから。」

「任せて!蛍くんのために良いの選んだから!!」

「……あっそ」


そう言って再生ボタンを押した蛍くんの右手は自然にわたしの左手へと繋がれた









 

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