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□clap#07
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ナルトは両手に沢山のチョコレートを抱えながら、里内を歩いていた。


今までこんなにもチョコレートをもらったことが無く、少し戸惑い気味のナルト。


今日はバレンタインデー。


朝から里を歩いていると、色んな人からプレゼントを貰っていたナルト。


最近では里の人達からも認めてもらえ、こうして普通に里内を歩く事が出来ているものの、昔はそうはいかなかった。


「俺も皆に認めてもらえたんだな…」


ナルトは公園のベンチに腰をおろすと、行く先々で貰ったチョコレートを眺めていた。


「あ…あの…」
小さな声にナルトが顔を上げると、目の前に小さな女の子が、後ろ手にモジモジとしてナルトを見つめていた。


「ナルトお兄ちゃん、これもらって下さい!」


小さな手をナルトの前に差し出すと、そこには小さなハートのチョコレートが一つ。


「もらっても良いってば?」


「うん!」


「へへっありがとな!」


その女の子からチョコレートを受け取ると、ナルトは女の子の頭を撫でてお礼を言った。

女の子は嬉しそうに頬をピンク色に染めるとにっこりと微笑み駆けていった。

その女の子が駆けていった先の母親が、ナルトに向かって優しく微笑み小さく会釈する。


「へへっ…諦めずに努力してきて良かったってばよ!」


「そうだね」


後ろから聞こえた声にナルトが振り返ると、そこにはカカシが立っていた。


「カカシ先生、ビックリするじゃんか!」


「気配ぐらい気付きなさいよ。」


カカシはナルトの頭をポンと叩いて、隣に座った。


「昔はさ‥こういうイベント事とは無縁だったから、嫌いだったんだってばよ…」


ナルトはそう言うと、空を見上げた。


「何で俺はこんなにも嫌われてるんだろ、どうせ誰も見てくれてないって…でもさ、やっぱり羨ましかったんだ…。」


昔の事を思い出すように瞳を閉じたナルトが、次に瞳を開とカカシを見つめて何時もの笑顔を見せた。


「でも諦めずに努力してきて、里の人達にも少しずつ認めて貰えて、こうしてプレゼントもらったり、お礼の言葉とか聞くとやっぱり嬉しいってばね!」


「そうだな。」


へへっとはにかむように笑うナルトに、カカシも瞳を細めた。


「さっきの女の子から貰ったチョコレートにも、他の人達から貰った物にも色々な感謝や思いが込められているからね。大切にしなさい。」


カカシの言葉にナルトは強く頷いた。


「よ〜しもっと修行して、もっと強くなって、もっと里の人達からも認めてもらうってばよ!!」


そんなナルトをカカシは優しく見つめていた。
 

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