♀×ルル
□黒に塗り潰される前に
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警告!微裏要注意
薫L(ルル)
(魔王魔女設定)
「ルルーシュ」
ゼロのコスチュームでソファーに寝転がってるのは薫
散らかった部屋を几帳面に掃除しているのは、ルルーシュことL.L.だった
「L.L.」
「…なんだ?」
いちいちルルーシュの神経を逆なでする薫に、L.L.は苛(いら)ついている
「呼んだだけ」
背後で、薫が朗(ほが)らかに嘲(せせ)ら笑う
「その名で呼ぶなと言っただろう」
“ルルーシュ”を挑発するかのようなことばかり言うのだ
「私ね、夕べ男になって、ルルーシュを襲う夢見ちゃった」
たちまちビビったL.L.の全身に鳥肌が立ち、艶やかな黒髪が真っ白になる
「ルルーシュ嫌がってビービー泣いてた」
いやらしい目線を送ってくるルルーシュに欲情した、と告げて薔薇の香水のような頬を、顔の輪郭に沿(そ)いツゥーと撫でる
「私めっちゃ色男だったのに!」
異様に優しく聞こえる囁きをくれたが、色を失った唇が震える
悪い予感がし、ルルーシュの寒気はさらに増した
「この変態女、キモいちゅーねん!キモいちゅーねん!」
夢オチであって欲しいと、藁(わら)にも縋(すが)る思いで、科学的根拠のない神とやらに願った
「死ね!タランチュラ!!」
香り高いバニラの紅茶を飲んで、寝床に入ると、あっさり眠りに落ちてしまった
ひどく体も心も疲れ切っていたのだろう
――気がつくと朝でL.L.は薫のベッドにいた
服は着ていたが、違和感がある
いったん全裸になってから、また元通りに着た
ただし自分ではなく他人に着せられた、そんな着心地の悪さがある
また、体そのものにも違和感があった
怯えうろたえながらも、今朝ほど薄っすらと絶望した朝はない
明らかに性的な交渉を持った痕跡が残っている
ルルーシュは、凍りついて何も言えなくなってしまうほどの、絶叫を上げた
黒に塗り潰される前に
(願わくは孤独な魔女に幸いを)
結局こういうオチになるんです
潔くあきらめを認めて
もう…魔王薫の前ではね、ルルーシュだろうとL.L.だろうと
君は受けでしかないんだよ
お題拝借、闇に溶けた黒猫様