スザルルSS
□荒野の墓標
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ルル←スザ
(スザルル、ゼロレクイエムから一ヶ月後)
エリア11はブリタニアからその名を返還され、日本という名を取り戻した
悪逆皇帝ルルーシュが死んだことで、世界中が歓喜に湧いた
真相を知る一部の者を除いて
黒の騎士団の英雄、ゼロは、どこへ行っても熱烈な歓迎を受け、そのたびにゼロコールの歓声に包まれた
僕は君に言われた通り、ゼロとしての役割を演じる
自分の感情を押し殺してでも、その役目を果たさなければならない
もう一生、枢木スザクとしては生きられないのだから
小雨が降りしきる真夜中
第五世代以前のナイトメアで、生気のない君を抱え、ひっそりと飛空艇(てい)を抜け出す
ランスロットはダモクレスでの戦闘の際、紅蓮に破壊され壊れてしまった
ここならいい――
スザクは一人、砂嵐の吹く砂漠へと降り立つ
両手でしっかりとルルーシュを抱えながら
気温の温度差が激しいのに加え、砂塵(さじん)で前がよく見えない
…はずなのだが、超人的な体力を持つスザクには、それほど影響力はなかった
ルルーシュ
誰より大切なルルーシュ
ゼロとしてでしか生きられずとも、僕だけは君を弔(とむら)う
スザクは砂漠の荒野にルルーシュの墓標を作った
ここなら誰にも見つからない
二人きりの、閉ざされた小さな世界
生前、生まれ持った美貌故、散々酷い目に逢い、身体を弄(もてあそ)ばれたルルーシュ
死んだ後まで身体を弄ばれるのは嫌で、何よりスザク自身許せなかった
「ルルーシュ」
永遠の眠りについた彼
無論、返事はない
「大丈夫だよ。ここなら君の眠りを妨(さまた)げるものはない」
もう何も君を怖がらせるものはない
苦しみから解放されたルルーシュの表情はとても安らか、まるでスザクの肩に凭(もた)れ眠っているかのようだった
誰も君を虐(いじ)めに来たりしないから
それが、今出来るせめてもの供養だった
「おやすみ……」
未来(さき)の世界は、僕に任せて――
荒野の墓標
(愛していました。嗚呼きっと皆は嘘だと言うけれど。)
スザルルでシリアスに初挑戦!
書いてて何だかまた泣きたくなってきた
ルルのいない世界で、ゼロとして仮面を被り生きなければならないスザク
うう、切ない…!
ルルファンの皆様は、まだルルーシュの死を受け入れられない方が多いだろうな
私自身、運命のステラの時がそうだったので
こんなにも大事にファンに思われて…
悲しみ泣いてくれ、悼んでくれ、愛されて
ルルーシュ、君はホントに幸せ者だよ
お題拝借、闇に溶けた黒猫様