君のための嘘
□第二十五話
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何事もなく、季節は冬へ。
「次はアニメイトだよ、なまえちゃん!」
「待ってよ、カンナちゃ〜ん!」
休日の午後。
カンナちゃんとおデートです。
「ね、ねぇ…ちょっと休憩しない?」
さっきからカンナちゃんに振り回されてヘトヘトだ。
「えー、じゃあマジバでも行く?」
カンナちゃんの提案に、私は必死に頷く。
このまま色々な店を回っていたら、私は過労死していたかもしれない。
休日なだけあって、今日のマジバは結構混んでいた。
カンナちゃんに席取りを頼み、私は会計をする。
シェイクとコーラとポテトの乗ったお盆(?)を持ちながらカンナちゃんのところへ行くと、先ほど買っていた所謂BL本を熱読していた。
「カンナちゃん…またそんなもの読んで…」
「そんなものじゃないもん!見てよ、なまえちゃん!この素晴らしき同性愛!」
「ちょ、カンナちゃん!」
でかい声で叫ぶから、周りに変な目で見られてるって!
私は慌ててカンナちゃんの口を手で塞いだ。
「何よ〜。男同士の恋愛がダメなんて偏見よ」
「いや…ダメじゃないけど…。ほら、世間ではまだ同性愛は当たり前じゃないから…」
「…そんなこと言ってるなまえちゃんは、そのうち黄瀬くんに青峰くんこと取られちゃうんだからね!」
「それは多分ないよ…」