君のための嘘

□第二十四話
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全中の結果は、当然だが我らが帝光中の優勝に終わった。


それはそれは、すごい迫力でしたよ。


すごく名残惜しいが夏休みとはオサラバし、ツラいツラい学校が始まって1週間。


特に変わったことはなかったけれど、そんな平和な日々はどうやら、嵐の前の静けさだったらしい。








「青峰くんと別れてくれない?」



いつかこんな日が来るとは思っていたけど、あまりに突然すぎる。


放課後、いつものように部活に行き、部員のボトルを水道で洗っていた私は1人の可愛い女の子に呼ばれて体育館裏まで来たのだが、彼女はなんの前触れもなく私に告げた。



「無理、だよ…」



「青峰くんもなんでこんな子なんか…。今まではすぐに飽きて捨ててきたのに…」



ああ…灰崎の言っていたことは本当だったのか。

私の頭は妙に冷静で、じっと目の前の彼女を見つめる。




「言っておくけど、私は青峰くんに抱いてもらったの。どうせあんたはまだなんだろうけど」



「でも、捨てられたんでしょ?」



可哀想、と言うような視線で緩く微笑む私に、彼女は怒りで顔を歪める。



「大体、あんなに女遊び激しかった青峰くんが何ヶ月も我慢できるわけないじゃない!きっと他の女で処理してるんじゃない?」



今度は私が怒る番だ。



「何それ。青峰くんが浮気してるって言いたいの?」



「普通に考えたらわかるでしょ?あんたみたいな普通の女があの青峰くんと付き合ってるだけでも不思議なのに。まぁ、どうせ青峰くんにとっては遊びなんだろうけど」



「…話がそれだけなら、もういいでしょ?部活の最中なの」



「逃げるの?」



「…そうかもね」



私はいつも逃げてるよ。

青峰くんからも、


自分からも。
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