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□ワンコはそこで待て!
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私にはペットがいる。







「 名前っち!今日空いてるッスか? 」






コイツだ。


















「黄瀬ワンコ、お座り」







「ええ!?なんでッスか!?」







なんだかんだ言いながらその場にしゃがむ黄瀬ワンコ。



今日も従順だ。







「えらい、えらい。じゃあコレ、ご褒美だよー」






そう言ってクッキーをちらつかせると、目をキラキラさせた黄瀬ワンコがクッキー目掛けて飛び付いてくる。




私はそれをヒラリとかわして黄瀬ワンコの目の前に手を翳す。







「待て!」






「なんで俺、犬扱いされてるんスかぁ!? 名前っちヒドイッスよぉー!」







「もう、そうやってすぐ泣かないの!ほんとにモデルなの?」






「うぅ…」







まったく、可愛いんだけどイマイチなんだよねー。


なんてゆーか、ヘタレ?






「黄瀬ワンコ!ほら、散歩行くよ」






黄瀬ワンコに言う散歩とは、デートなのだ。







「やったー!じゃあ 名前っち、手繋ご! 」









「……ハウス!」








「ええ!?帰れってことッスか!?」
















ご主人様の機嫌が悪くなれば、ご褒美も当然なしなのだ。









「せっかく今日は部活も仕事もないから 名前っちとゆっくりできると思ったのに… 」








どんだけ苛めてもやっぱり可愛いものは可愛くて、シュンと落ち込む黄瀬ワンコの頭をなでなでする。




こうすると、コイツは喜ぶの。







「 名前っち…… 」







「久し振りに私の家に来る?今日は両親が旅行でいないから泊まっていっていいよ」







「っ、やっぱり 名前っち大好きッス!!! 」









そう言って抱き着いてきた黄瀬ワンコを引き離さないのは、やっぱりこのワンコのことが愛しくて仕方がないからなのかな?


















(なぁ、あの2人…ほんとに付き合ってんのか?)

(バカを言え、笠松! 名前ちゃんだって満面の笑みだぞ )

(あれは黄瀬を苛めて楽しんでるだけなんじゃ…)















先輩たちが影でそう言ってることも知らずに尻尾を振る黄瀬ワンコなのでした。






おしまい*
 

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