君のための嘘
□第二十四話
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「…そっか。そんなことがあったんだ…」
宣戦布告(?)をされた私は、そのまま桃ちゃんの元へ。
事の行方を全て話した。
もちろん、灰崎のことも。
「正直に言って欲しいんだけど、私が転校してくる前の青峰くんって、やっぱり女遊び激しかったの?」
「…うん。厳密に言えば、なまえちゃんが転校してきてからも暫く続いてたよ。でも、夏休み前には止めてたみたいだからなまえちゃんが青峰くんを変えたのかもね」
ふふふ、と笑う彼女に首を傾げる。
「私が?」
「だってそうじゃない?今までの青峰くんだったら誰かと純粋に付き合うなんて信じられなかったもん」
「純粋と言えるのだろうか…。付き合う前からキスされたんですけど私」
「そこは…ほら、青峰くんって野生だから」
「なるへそ」
何だかんだ桃ちゃんと話していたら楽になってきたような気がする。
さて、と立ち上がり伸びをする。
「マネージメント、今日もがんばりますかっ!」
「いつもお疲れ様」
笑い合う2人に、場違いな声が届く。
「青峰くんって、みょうじなまえと付き合ってるらしいね」
「はー?マジで?いつからよ」
「夏休み中に付き合ったらしいけど」
「なーんだ。彼女持ちじゃ遊んでもらえなーい」
どうやら同学年の女子らしい。
私と青峰くんの話題に、物陰から様子を伺う私と桃ちゃん。
「つーか、青峰くんも本気じゃないでしょ」
「まぁ、今までマトモに付き合った彼女いないしねー」
「そうじゃなくて」
「え?」
「青峰くん、茉莉花のこと忘れられてないんだから」
茉莉花……?
聞いたことのない女の子の名前に首を傾げて隣の桃ちゃんを見ると、彼女は目を見開いていた。
何か悲しいことを思い出しているような表情に、なぜか嫌な予感がした。
「青峰くんが唯一愛した女、だもんね」
何かが、崩れる音がした。