君のための嘘

□第二十一話
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初デート。


それは、付き合っている男女が初めて2人きりで遊びに出かけること。








「お腹すいたー」






「あ?あー…マジバ行くか」







初デートでマジバってか、こいつ…。

ほんと乙女心まったく理解してないな…。








「いらっしゃいませー!」





初マジバ入店。

胸の大きな可愛らしい店員さんが私たちを笑顔で迎える。



そう…胸の大きな…。







「やべ、めっちゃ胸でけぇ…」






「…くたばれ!」






バシンッと頭を殴ってやると、そんなに痛かったのか、涙目で私を睨んできた。






「いってぇな!何すんだよ!」






「デート中に他の女見て鼻の下のばしてるのが悪い!」







「胸見るくらい別にいいだろーが!」








うわ、最低だよ!
この男、最低だ!







「すみませんね!胸のない彼女で!」







「誰もお前の胸に文句つけてねぇよ!」








お互い睨み合う。

そして、すぐにプイッと顔を逸らす。







「そっちが謝るまで喋んないから」







「こっちのセリフだ、バーカ」







ふんっと鼻を鳴らし、私はマジバから出ていく。


そしてすぐに頭を抱えた。




ああぁぁぁ…なんであんなこと言っちゃったんだろぉ…。




こうゆうとき、無駄にプライドの高い自分が嫌になる…。







うわ。なんか目から出てきたー…。


あーぁ。せっかくの初デートでケンカとか、ほんと…ないわ。





「…お?んんんん?」






思わず2度見してしまった。

マジバの前に、灰崎が。







めんどくさくなる前にさっさと帰ろ…。


うん、そうしよう。








そう思って踵を返すと、あっれー?と後ろから聞こえた。


ギクッと肩が揺れる。


逃げなきゃ…でも足が動かん!!







「なまえじゃん?何してんだよ」







話しかけられた…。

もう帰りたい…。







「いや、ちょっと…用事があって」






「ふーん。…あ。お前、ダイキと付き合ってんだってなー」






「え?あ、まぁ…」







なんで知ってんだ?








「へぇー…いいな」






「は?」






「人のモンって欲しくなんだよなぁ…。お前、結構いい女だし、おもしれぇし、ダイキから奪っちまおうか」







それを本人の前で堂々と宣言するって、どうゆうこと?


てか、えー?気に入られてんの、私。






「いや、でも…私、あれだし…そう、あれだからさ…あはは!」






自分でも何言ってんのかわかんない!








「クッ…やっぱ、おもしれぇ。お前、ぜってぇ俺のモンにする」











厄介な人に目をつけられました。







つづく*
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