君のための嘘
□第二十一話
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「なまえ!帰るぞ!」
美希さんと話していると、撮影が終わったらしい青峰くんが私を呼ぶ。
「あ、わかった!…えっと、美希さん。さようなら」
「ばいばい!仲良くするのよ?ただし!ちゃんと避妊はすること!」
「なっ!?まだそんなとこまでいってません!」
「冗談よぉー!ほらほらぁ、彼氏が待ってるわよ」
納得いかないまま美希さんに背中を押され、青峰くんのところまで行く。
すると、目の前に立つ私を、青峰くんが正面から抱き締めた。
「あ、青峰くん!?」
「充電。…合宿ん時から触ってなかったからな」
充電って…
私は充電器か。
「よしよし」
少し背伸びをして、青峰くんの短い髪をフワッと撫でる。
そうすると、私を抱き締める力が強くなった。
「…よし、このままデートすんぞ」
「え?」
パッと私から離れると、手を握って歩き出す青峰くん。
これからデートって…