君のための嘘
□第十一話
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休憩とはいえ、水分補給をしたあとに自主練をする部員もいて、私は邪魔にならないように体育館のステージに座り、浮いた足をブラブラとしながらシュート練習をする真ちゃんを見る。
「生で見る真ちゃんのスリーポイントシュートって、綺麗だよなぁ…」
無駄がないってゆうか、完璧ってゆうか…。
あ、真ちゃん、こっち向いた。
目が合ったので手を振ると、怪訝そうに眉間にシワを寄せてプイッとそっぽを向かれた。
えええええ…真ちゃん、それは酷い。
ガックリと肩を落としていると、隣に誰かが座った気配がして横を見る。
「わっ、赤司くん!」
足を組んだ赤司くんが思った以上に間近にいて、目を見開く。
「なんだ、そんなに驚いて」
「えっ、あ、いや……近かったから…」
「そうか?…じゃあ、これは?」
悪戯っ子のような笑みを浮かべた赤司くんは、私にグッと顔を近付ける。
「ちっ、ちちち近すぎだからっ!」
こんな綺麗な顔近づけられたら死んじゃう!!!
「そんな顔真っ赤にさせて。 なまえは可愛いな 」
なまえって!呼び捨てって!
この状態で呼び捨ては反則でしょう、赤司くん!
「な、なんか赤司くん変だよ!こんなことしたことなかったじゃん!どうしちゃったのっ?」
なんてゆうか、積極的!
「どうしてだろうな?…まぁ、 なまえは俺のお気に入りだから 」
お気に入り……
………なんか、いい。
って、違う!流されるな、私!
「 なまえ。今日は一緒に帰ろうか 」
この日から、赤司くんの猛烈なアピールは続くのであった。
つづく*
おまけ
「あの2人、俺の前でイチャイチャしないでほしいのだよっ!シュート練習に集中できん!」
1人顔を赤らめた真ちゃんが私たちを睨んでいたなんて、そのときの私には知るよしもなかった。