君のための嘘

□第二話
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「えっと、大丈夫?」






もももももも桃ちゃんんんんん!?






目の前に現れた美少女に、私の心臓ドッキドキ。





「あ、…うん、大丈夫…だよ」






「本当?顔も赤いし、熱あるんじゃないのかな?」






興奮しただけです。




なんて言えるか!!!






「ちょっと目眩がしただけ。心配してくれてありがとう」





極力にやける顔を抑えて、ニッコリ笑顔を作る。






「そう…?」







納得いかないように口を尖らせる桃ちゃん。



マジで嫁に来い。







「それより、大ちゃんの知り合い?ミニゲーム見てたみたいだけど…」





大ちゃん???



ああ、青峰くんか。






「あ、いや…全然そんなんじゃなくて、ただ……すごく上手でかっこよかったから」






無意識のうちに出していた感想に、ハッとする。



慌てて口を押さえるが、桃ちゃんにはしっかり聞こえていたみたい。





「そっか…。もしかして、バスケに興味あるの?」





「え?あ…まぁ、ルールとかはよくわかんないけど、見てるのは好きだよ。かっこいいし」






うん、そうだよ。


黒バス買ったのも、バスケの話だったからだし。







「そうなの!?…よかったら、今度うちの部活見に来ない?」








な、なんだと…!?


帝光のバスケを……







「行きます!絶対行きます!」






「よかったぁ。私、桃井さつき。もし迷惑じゃなかったら、友達になってくれない?」






少し恥ずかしげに頬を染める桃ちゃんに、私の頬も赤くなる。






「私、みょうじ なまえ 。こちらこそ、友達になってくれたら嬉しいなっ!よろしくね、桃ちゃん!」






「うん!よろしく、 なまえちゃん! 」














こっちに来て、初めてお友だちができました。




私、幸せです。
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