ザ☆ナンバーズ!!!
□一条和臣
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『必殺!!バスターフレイムソード!!』
オレは、こんな
『ふん!!ウォーターサファイア!!』
冒険に憧れていた。
「はよー和臣!」
教室に入ると、幼なじみの俊が声をかけてくれる。
「おう、おはよう」
「なぁなぁ、昨日のカラーズファンタジア観たか?!」
「ああ!!アクアとフレイムが実は兄弟だったんだろ?!」
「おれも観た!互いに認めなくてバトルするのが熱くなって思わず叫んじまったぜ」
今、クラスの男子の間で流行りのアニメ・カラーズファンタジア。
最初はマンガに始まり、アニメ化すると一気に火がついて映画化やゲーム化と、日本中で一番アツイ冒険ストーリーだ。
オレも例外ではなく、アニメを観てはみんなで盛り上がるのが当たり前になっていた。
オレもいつかフレイムのような冒険がしたい。
賑やかな日々もいいけど、なんかハラハラドキドキするようなのないかな。
もちろんオレは魔法を使えない、敵と戦う勇気もない平々凡々な小学生。
朝起きて学校行って勉強して、終わって帰って風呂入って夜飯食べて寝るだけ。
なんか、面白いことになんないかな…。
退屈な日々に飽き飽きしたのも、小学5年になった春に一変した。
「クラブ?」
5年になると、放課後などに活動するクラブに参加できる。
仲が良かった奴らは自分の趣味に合わせてサッカークラブや野球クラブへ即入っていった。
そこでオレも誘われて体験してみたけど、どれもイマイチだ。
それを見た担任の八乙女がオレにこう言った。
「自分でクラブを作ったらどうだ」
「…は?」
「聞いてなかったのか?児童が自ら新規でクラブを設立することもできるんだ。条件が合えばの話だが」
新しくクラブを作る…??
瞬間、オレの頭で1つの閃光がひらめいた。
そうだ。オレがリーダーの冒険好き集団を作ればいいんだ。
フレイムがギルドの仲間と共に冒険したり、笑いあったり、バトルしているようになれるかもしれない!!!
よし、決めた!!
オレは教室を飛び出した。