大好きやで

□裏切り者
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「そこで何してるんや」



『蝮ちゃん』




名を呼ばれると
私達の方に振り返った。



柔くんは私の前に
スッと右手をだした。



「…………」



「やっぱりお前やったんか
ハッ あからさまに挙動不審やったもんな」



『蝮ちゃん?どうしてなん?』




集会の時
いつもと様子がおかしかった。



自分は裏切り者やない
信じてやって
必死すぎて
いつもの蝮ちゃんからは
考えられない言動などを
していた。




どうして蝮ちゃんが?



友達やのに
何も気付いてあげれへんかった



悔しい悔しくて涙が出てきた。



『…ぐすっ…蝮ちゃん…』



柔くんは右手を私の体に回し
包み込むように抱きしめてきた。

私はただ柔くんの胸で
泣くしかできなかった。




「でも俺は お前の事を
普段はいけ好かんけど
人一倍 明陀の事を考えとる奴やと
思っとったんや それがなんでや?」











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