& ターレス
□ANIMAL KINGDOM
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「――あぁ、分かった。さっさとしろよ?」
「通信ラディから?まだ来ないの??」
「カカロットのボケがまだかかるんだってよ。入って適当に見てろだと。」
「一番楽しみにしてた本人がまだ来れないんじゃぁね〜」
クスクス笑いながら大人二人分のチケットを注文した。受け取った二人はゲートをくぐりしばらく無言で園内を目指す。
「ほら、バダ。お馬さん♪」
最初に展示されていた数頭の馬を指差しながら、ターレスが幼い子に言い聞かせるように言ったので、バーダックのヘソは余計に曲がっていく……
「あっちにはタヌキさんがいますよ〜♪」
反対方向を向いているバーダックの顔を両手で挟み込み、グキっと音がするほどに無理矢理折り曲げ『タヌキさん』を見せつけた。
「――っがぁぁぁ!!うぜぇ!」
炎を吐き出しそうな形相になったバーダックを見てケラケラと腹を抱えるターレス。
ったく…と表情を歪めてため息しながらも、息も切れ切れに笑うターレスにつられ口角を持ち上げた。
「もう少し進もうぜ?」
おもむろにバーダックの腕を取り、引っ張る様に歩き始めるターレス。広い園内、何処にしようかと案内板を見つけて眺めてみた。
「そう言えばさぁ、バダ」「あぁ…」
少し高い位置にある園内図を目で追いながらターレスが口を開けば、同様にしたバーダックもすぐに返事を返した。
「一昨日プロテクター忘れてったのって、やっぱわざとでしょ?」
「――ちげぇって昨日の昼間散々言っただろうがよ!」
「慌てて帰ったから忘れたんだ…って言い訳?本気で信じるわけないじゃん。おかげで俺は二度手間になったんだからね?」
「……てめぇの事は棚上げかよ?朝持ってくんの忘れたのはてめぇのせいだろ!」
「まぁ、俺に会いに来てほしいって見え見えだから良いんだけどさ♪」
呆れながらも睨み付けるバーダックに気付き、さも楽しげに口元を緩める。
「それにバダイジメて楽しかったし。」
(――この腐れ外道)
バーダックの心まで読めているのか…ターレスは目を細めて薄く笑った。
「あんなになっちゃったのが、ちょっと想定外だったけどね?」
「――うるせぇ。色魔。」
付き合ってらんねぇ と適当に歩きだしてしまったバーダックを、喉を鳴らしゆっくり追い掛けた。
突き当たりまで進んでみたら、そこには何とも可愛らしいピンクや白のウサギさんイラストが描いてある小さな建物が…
思わず立ち止まり、そのウサギさんをまじまじと見つめてしまう二人。
すると中から飼育員の女性が声をかけてきた――
「ただいまの時間、ウサギさんにお食事をあげるイベントを行っております♪お客様もいかがですか??」
ニッコリと営業スマイルで言われ、茫然としていたらなすがままに建物内に引き入れられてしまった……
フワフワなウサギさんに囲まれ、場違いだろ…と立ちすくむオジサン達に容赦なくキャベツの葉が渡される――
仕方ない、と顔を見合せターレスはしゃがみこみ…バーダックは餌を押し付け端にあるベンチに逃げるのだった……
(――カカロット後でぶっ飛ばす(怒))
その頃、そんな父親達の珍プレー光景とは露知らず…時間差で園内に入った息子たちは、レジャーシートを敷いて早めの弁当を広げていた。
ラディッツが弟に先程の真意を尋ねれば、口一杯に頬張りながら答えだした。
「だって、この前夜中にトイレに起きたとき父ちゃん達が部屋でガタガタ争ってるの聞いちまったんだ」
(…それケンカじゃないと思う……(汗))
そ、それで?と慌てて促せば、コクリと頷くカカロット。
「1週間くらい前に父ちゃんと風呂入ったら、身体が小さいアザだらけだった」
(…クソ親父共め!子供に見せるなよ……(殺))
「一昨日も買い物の帰りにターレス殴られてたじゃん」
(あれは親父にいきなりキス仕掛けたからだよ……(呆))
「昨日夜皆でいても全然話してなかったし…」
(…あぁ、学校から帰ってきたら親父の声枯れてたんだわ(涙))
「オラ、仲直りして欲しかったんだ……だから……」
(カカロット……)
「ターレスと父ちゃん仲良しでいれば家族っぽく見えて嬉しいじゃん!」
(…親父が『母ちゃん』なんだけどな……(悲))
「兄ちゃんもそう思うだろ!?」
(…不憫だ……俺ら(滝涙))
ニッコリ笑う小さなカカロットに合わせてしゃがみ、頭を撫でながら自身の頭も撫でてあげたいラディッツだった――
――☆後書き☆――
ターレス祭2012に参加させて頂いた作品です。
当家のレタスさんはどちらかと言うと、こんな感じにドツキ漫才の似合うお方…で描いてるかも……
(格好イイレタスさんが好きな方にはイメージ崩してしまって申し訳ないのですが……)
タレバダの大人な雰囲気もおバカな雰囲気も大好きなんです(*^_^*)
そして振り回される息子たち……腐腐腐
シリアスやってみたいんだけど、力量が無さ過ぎて脱線しまくっちゃうんです…
歳の設定としては、タレバダ似たような歳・長男高校生くらい・次男小学校低学年くらい……と言う感じですかね(*^^*)
最後までお付き合い頂きありがとうございました☆