& ターレス
□adventure?
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オープニング
どっかの誰かが魔法を間違えて、世界に闇の王フリーザが召喚されてしまった。
たまたまその時同じ町に住んでいたのが、腕は立つがナンパなサイヤ人ターレス。
彼はまったく知らないヤツからいきなり大声で助けを求められたのだった。
「助けて下さい!魔王フリーザがこの世に現われてしまいました!貴方の強さは有名です。どうか奴を倒すか、封じ込めるか、手懐けるか、手込めにするかして下さい!!ターレス!」
初老のフードをかぶった男に両手を握り締められて、ブンブン揺すられるターレス。
方眉をピクリとさせて低く声を吐いた。
「――ターレス?」
「…ターレス、様!」
なかなかに察しのいい男は直ぐ様言い直し、深々と頭を下げた。
「メンドくさい。しかもフリーザって全くタイプじゃねーし。」
追ってもらうために書かれた似顔絵を見て、げ〜 と顔を歪めながら文句を繋げた。
「……そ、そこを何とか…勇者ターレス――」
「あぁ、勇者って響きイイね。なんか世界は俺中心って感じ。」
ニンマリとした顔は何とも悪人面。
「あ、あの…フリーザを……」
さすがにこの男もコイツ大丈夫かと不安が否めない――
「アンタ娘か息子とかいる?」
「え!?はい。娘が2人――」
「なら、どっちか好きにしていいなら殺してきてやるよ。」
ニヤリと黒い笑顔を向ければこの面倒な話も流れると予想して、ターレスは分かりやすく男に要求した。
「――え…娘まで貰ってくれるんですか!?」
「――は?」
「良かった…嫁入り先が見つからなくて困っていたんです!」
ウルウルと感激の涙を浮かべる男に、少し小首を傾げるターレス。
「――なんか想定外。」
「さ、早速娘を連れて参りま「嫌な予感がするからやめとく〜」
歩を進めようとした男にポンとツッコミを入れて、足早に立ち去った――
「ターレス様〜〜!?」
エコーのかかった叫び声が町の中心部に響き渡ったのだった。
(結局脅された…)
フリーザの元へ旅立たないのなら自分の娘との結婚式招待状を町中にバラまく
(あのジジィ…)
勝ち誇ったかの如く高らかに笑い、もはや『さぁ行くのだターレス!』と敬いもしなくなった男に毒づいた。
ターレスは既にうんざりしていた。
『まずは仲間集めだ!』と勝手に決められ、仕方無しに町を出た――と言うか締め出されるように放り出された。
町の権力者まで登場し、あれよあれよと言う間にマントやプロテクターなどの支度も調えられ路銀を渡され……
(まぁ、暇だから付き合ってやるか……)
路銀の袋をチャリチャリと手元で弄び、諦めの盛大なため息を吐いて次の町へと向かう勇者(にさせられた)ターレス19歳だった。
第1章
夜の酒場に行ってみよう。
隣の町に着いたのは既に日も暮れきり、クタクタに眠たくなる頃だった――
と言うのも、数時間で着くはずの道程を(下品な)寄り道しまくっていたのだから仕方ない。
酒場を探すのは何とも簡単だった。静かな町の、人々が眠りにつく時間帯。見た目に賑やかな場所はチラホラとしかなかったからだ。
ターレスは取り敢えず一番近い店の戸を開けた。威勢の良い『らっしゃい!』の声も無視し、キョロキョロと辺りを見渡してみる。
一般人とは明らかに違う服装の人集りをいくつか見つけ、ターレスはゆっくり観察しながらグルリと店内を一周した。
傭兵風に鎧兜を装着しながら酒をあおる大柄な男。
(飲み辛そう。脱げばいいのに…。ゴツイし。)
はたまたベタな魔法使い風の黒ローブを着る女。
(よく見たら結構歳だな。却下。)
(いいのいないから次。)
冷ややかに思いながらその店をさっさと退出し、数件先の飲み屋に向かった。
同様な客への挨拶を受けて店内を見渡す。
すると、一つのテーブルで3人組が騒いでいるのを発見した。
チラリと頬に大きな傷が見えた黒髪の男は、プロテクターを身に纏い赤いバンダナを巻いて、何とも豪快に笑っているようだが入り口からでは後頭部しか見えない。しかし大きな剣はよく見えた。
隣には黒い短い髪の女。
身体をスッポリと包むマントの中には軽量タイプの胸当てが見える。その横には細身の剣も立て掛けてある。
もう一人は少し身体の大きな髪を結んだ男。
ゆったりとした青白い法衣に腰には短い短剣。
ターレスはビビビっと電流が走ったように感じる。
『誰に話し掛けますか?』と言うナレーションの音声が聞こえてきそうだった。
(そりゃあモチロン♪――)
「何だテメェ?!」
「アタシ達に何か用かい?」
「ちょっとうるさかったか?悪かったなぁ……」
声をかけての第一声がこれらだった。ターレスは、なる程ね と心でごちる。
(そうこなくちゃ面白味がない。)
気付かれないように口端を上げるだけで止め、椅子を一脚隣から失敬して同卓についた。
「俺の名はターレス。一緒に旅する人材を探してる。見たところ一般人じゃないだろ?」
「――詳しく聞こうじゃないか。」
身体の大きい男が頬杖を付きながらニヤリとして言った。
「――悪いがアンタが目当てじゃない。」
「は??」
ターレスがツンと外方向きながら答えれば、三人は目を点にしてパチクリとした。
そして一人を指差す。
「アンタだけ欲しい。」
さぁ、勇者(にさせられた)ターレスの選んだ旅の伴とは―――
第2章に続く。
次章〜いざフリーザ討伐(誘惑)へ〜
――☆後書き☆――
え?
これシリーズ??
いやいや、ただのバカらしい単発でございます
ターレス記念日に何か書きたいなぁと思ってたら、旦那がDSでRPGやり始めましてね……安直なワタシは『勇者ターレスおもろい♪』となってしまったのです
(´Д`)
……と、言っても全く冒険内容考えなかったんでこんな中途半端パロ(笑)
しかも名前出てるキャラ、ターレスとフリーザのみ(爆笑)☆
どんなssだよヽ(´▽`)と言うツッコミ大歓迎です♪
大変失礼いたしましたぁぁm(__)m