& ターレス
□探索
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惑星ベジータパラレル
夕暮れの燃えるようにでかい太陽が地平線に沈んで行く。荒れ果て見渡すかぎり草も木もない荒野で一人、ターレスは立ち尽くしていた。
この星に着いて既に五日。この光景も五回目だ。破壊し尽くされたこの星では、どこから見ようと同じ日暮れ。同じ感情――
男には絶望の色しか映らない。
ターレスが惑星ベジータを緊急で飛び立ったのは、雑音しかしないスカウターの受信を受けてすぐだ。
表示された相手の名を見て、どうせ つまらなかった の愚痴通信だと思いのんきにスイッチを入れた。
しかしいくら尋ねても耳障りなノイズしかなく、自身のスカウターが故障したのかと、予備の物でかけ直してみた。
出た反応はあった。
……が、相変わらずの雑音。何か嫌な予感がして、宇宙ポットの発着場へと飛び出したのだ。
管制室に急ぎ所在を確認してもらったが、かのチームメンバー達の横にはERRORの文字が並ぶばかり……
その場にいた上官の制止も聞かずに出発間際のポットを横取りする。先程盗み見た惑星の指標を登録し手際良く発進ボタンを押せば勢い良く飛び上がり、やがて見えなくなっていった。
明日最後の場所を一周すれば星の表面全てを確認し終わる。生命反応は一度も無かった。星の住人も……同胞のものも……
(バーダック……)
暗くなってもなお立ち尽くして、未だに行方不明の男を思う。
(死んだのだろうか……)
ターレスは、覚悟出来ていると…思っていた。
いつ命を落とすかもわからない戦闘民族なのだから、死は常に隣り合わせだ。
(もっと冷静で、特別な感情もなく終わると思っていたのにな――)
その場に崩れ落ちるように転がりながら目を閉じた。情けない と自嘲する。
眠れるかわからない五回目の長い夜が過ぎていく――
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